「都立高校改革・新配置計画(案)」の撤回を要望する決議

 6月27日、東京都教育委員会は「都立高校改革・新配置計画(案)」を発表しました。
これは、第一次、第二次と続けられた都立高校改革推進計画の総仕上げであり、
第三次ではなく「新配置計画」とあるように新しい統廃合計画としての性質をも
つものです。定時制については、33校の夜間定時制高校を統廃合の対象とし、
新たに5校の昼夜間定時制高校を設置しようとするもので、1997年の第一次
実施計画、1999年の第二次実施計画合わせて31校の夜間定時制高校が統廃
合の該当校となったのと比較すると、今回の「新配置計画(案)」による統廃合
計画がいかに大規模なものであるかがわかります。
 「新配置計画(案)」には、1997年100校あった定時制課程を2011年までに
44校に減らすとともに、昼夜間定時制を概ね各学区に1校、全部で11校を設
置することと、さらには将来的に全定併置型の夜間定時制課程を解消する旨が書
かれてあります。このままでいくと都内には夜間定時制高校はほとんどなくなっ
てしまいます。
 夜間定時制高校は勤労青少年のみならず、中学校時代に不登校であった生徒、ハンディ
キャップを持った生徒など様々な生徒が学んでいます。夜間定時制高校は地域に
根ざして住居や職場の近くにあるからこそ生徒たちは通うことができるのです。
新たな昼夜間定時制高校(全都にたった10数校! )にこれらの生徒が入学し
通いきれるのか、何ら保障はありません。
 私たちは規模が小さくても生徒一人ひとりに目が行き届き、生徒間、生徒・教職員間
の交流が密である現在の夜間定時制高校こそ、多様化する生徒にとって学ぶ権利
を保障することが可能な学校であると考えます。このような学校を大切にしてい
くことが本来の教育行政の使命であるはずです。
 私たちは、今回、東京都教育委員会が策定した「都立高校改革・新配置計画(案)」
に反対し、その撤回とすべての夜間定時制高校を存続させることを要望いたします。

2002年7月13日
                        都立定時制高校を守る会・連絡会

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