都立高校改革・新配置計画(案)
小松川高校定時制の統廃合に関する都教委説明会(7/15)報告


 都教委より、改革推進担当の藤森課長と渡辺係長が出席、冒頭校長より挨拶があり教頭の司会で最初に事前に出した質問事項について都教委から説明、その後参加者からの質問に答える形で行われた。当初1時間の予定であったが、結果的に2時間余りとなった。参加者は保護者12名、同窓会より2名、教職員5名であった。説明会のやり取りについては以下の通りまとめた。(「小松川定時制を守る会」事務局)

〇新配置計画(案)全般に関して
*「新配置計画」の位置づけはどのようなものか。長期計画の枠内の計画かそれを越えた新たなものか。

 高校改革ということで平成9年から1次が始まりまして、3次ということになるわけで総仕上げとなる実施計画ということで長期計画の枠内の計画です。しかしながら、中高教育学校の根本的展開ですとか、昼夜間定時制独立校の設置ですとか、今までの計画からさらに踏み込んだ今回全体の計画となっていることから、新たな実施計画と位置付けています。

*「生徒数の増減」として、平成22年度中学校卒業生の数を9年度推計 70,214人 から 13年度推計 74,758人と修正しているが、4年間で4、500人も違うということは、当初の予想が当てにならないことを示し、それに基づいた計画は、当然見直されねばならないと考えるがどうか。

 今回計画を作成するにあたりまして、そうした人口推計の検討につきまして、全日制の削減の校数を当初30校程度というふうに申し上げておりましてけれど、全体として今回28校、1次から含めて閉校しておりますが、その他学級数の調整によりまして、都立高校が分担する生徒数については全て受け入れるとしており、計画の1次2次については都民の支持を得ているということから、計画の見直しは考えておりません。

*4,500人多いという数字は、全日制19校分足らないということに相当するが、この生徒数の推計に違いは今回の計画に反映されているのか。反映されているとすればどのように反映されているのか。

 ここで19校分とおっしゃいますが、公立と私立で受け入れる分を考慮しますと都立の受け入れ分は約11校分ということで、全日制削減数を30校から28校に減らし、18学級を基本に据えておりますが7学級・8学級規模の学校はそのまま残し、学級数の調整により必要な生徒を受け入れていくという考えです。

*全国的な都道府県・市町村段階での独自の施策としての30人学級など少人数学級の予想を超えた進行は、地域住民の要望、社会的世論の要請に応えた結果といえるが、一方で都は全日制40人学級をそのまま平成22年まで変えない前提で計画しているが、時代遅れで都民の声に応えない計画になるのではないか。

 高校の学級編成に関する基準は、定時制につきましては昭和42年より全日制は平成5年より40人というふうに決まっております。全日制については30人以下の学級にすることは現在むずかしいという状況です。但し定時制につきましては、国の基準によらず30人というふうにしているわけで、又全日制は職業科のHR定員は平成18年度までに全学年で35人で実施していこうという考えをもっています。都教委では、学習集団としての習熟度別授業など少人数指導に対して教員の加配を行っております。学習集団に対し出来るだけ細かな指導をしていくことで対応を図っており、決して時代遅れとは考えておりません。

*「将来的に全定併置校の解消をめざす」として当面「定時制100校(9年度)を55校(23年度)」ということは、更に将来既存の夜間定時制は全てなくなり、昼間定時制に置き換わるということか。

 5月に定時制高校検討委員会報告を都教委から出させていただいており、そこにも書かれていますが、定時制教育の将来像としては全定併置の形態を解消していこうと、そして3部制の昼夜間定時制独立校を設置して生徒のニーズにそって学ぶ時間を選択できるような体制に順次移行すべきであると報告書の中で述べているわけです。これをふまえ通学の利便性等を考慮しまして、学区1校程度の昼夜間定時制を整備していく考えです。今回の新たな実施計画は平成15年から18年の計画ですけれど、生徒の実態等ふまえ昼夜間定時制の望ましい整備を進めるとか整備地についてこれから検討していこうということで、今回お示しした計画以外はこれからの検討課題ということで理解いただければと思います。

〇「昼夜間定時制独立校の整備について」に関して
◇「整備拡充の必要性」として
「夜間定時制課程での生徒の受け入れることの必然性の低下」をあげ、その理由として「勤労青少年の減少」と「生徒の多様化」を述べているが、「勤労青少年の減少」について、勤労青少年を正規雇用に限定して統計上少ないとしたものではないか。本校生徒の調査でも、7割の生徒がパート・アルバイトを含めて働いている。若年労働者の不安定雇用が増大している雇用情勢が正規雇用数を減らしており、働いているという状況は過去も現在もそんなに変わらないと考えるがどうか。

 平成10年度に夜間定時制に在籍する生徒のうち、正規雇用及び自営業の手伝いの生徒の割合は6.2%という数字が出ています。夜間定時制でアルバイトを行っている生徒は、確かに48.4%と半数近くですが、アルバイトは全日制の生徒もやっているという実態もあります。また新宿山吹や桐ヶ丘でも33.8%の生徒がアルバイトをやっている実態があります。そういう意味では、パートを含めまして何らかの形で働いている生徒の割合はほぼ半数であるけれど、働いていない生徒も半数いるということで昭和40年代前半と比べますと著しく低下していることは事実で、いわゆる昼間就業する学びの場としての定時制教育の意義はだんだん薄れている状況ではないかと。

*「生徒の多様化」について、本校では、中学時代不登校だった生徒・全日制中退者・ハンディキャップを持った生徒・在日外国籍生徒など多様な生徒が入学してきており、小規模で少人数の夜間定時制だからこそ一人ひとりに対応した指導ができると考えているがどうか。また、生徒数の多い大規模な学校にいられない、入れない人間関係に悩んできた不登校経験の生徒が、これから計画されている大規模な昼夜間定時制に入れると考えるか。

 そういった少人数指導の教育効果というものは十分あると考えております。既に定時制では30人学級で、習熟度等による少人数指導も必要だということで今後も行いたいと考えています。学校規模が小規模化することによって学校行事や生徒会活動の低下がどうしても、先生方の数もやはり生徒の数に合わせなければいかんということで、多様化する生徒の希望に応じた教育課程が組んでいけない。又全日制定時制一つの施設を共有している部分があるわけですが、施設使用の結果的な弊害等そういったものを解消したいということと一定の規模を確保して選択幅の拡大や学校行事・部活動の活性化をはかりたい。生徒の実態にあわせて定時制教育の充実を図っていきたいということが基本的考え方です。台東地区昼夜間定時制は32学級規模で3部制で学級規模としてはそれほど重大で大規模になるとは考えておりません。それと不登校傾向の受け皿ということで、全都で5校のチャレンジスクールの整備を行う計画です。チャレンジの場合最大で7学級ということで、この辺では江東地区チャレンジスクールが平成16年に開校する予定で、これは5学級規模です。

*「全定併置校の抱える教育上の諸課題解決の必要性」について
 教育活動上の制約が「検討委員会報告」で強調されているが、全定併置校では長年にわたってそれぞれの学校で工夫して行ってきており、全定で生徒会交流や一緒に文化祭をやったりなど取り組まれてきている例もあり、否定的見方は一面的ではないか。また財政効率からいえば全定で施設・設備を共用するメリットは大きいと考えられるがどうか。また、この課題解決を理由に全定併置の解消、即夜間定時制の廃校という計画は、全日制の進学指導やクラブ活動等の教育活動を優先して、夜間定時制を切り捨てるやり方にしか思えないが、どうか。

 全定併置校では各校がさまざまな工夫を行い課題解決に向け努力していることは重々承知しています。「検討委員会」のメンバーとして現場の校長先生・教頭先生も含めて議論していただいて、そうした努力や工夫を行ってもやはり教育上の制約を解消するのは限界があるという意見もあります。これだけでなく、定時制の生徒の実態を踏まえるとさまざまな課題があるということで、いま現在悪いというわけではなくて、さらに充実した定時制教育を行うためには昼夜間定時制が必要であるという考えです。確かに施設設備の共有ということだけとらえれば、財政効率上良いかもしれないが、学校運営費全体でとらえた場合どうかといったところですね。確かに都財政が厳しいけれど、教育的面から現在の定時制教育をさらに充実させるために生徒の実態を踏まえ教育環境の整備をしていくことが重要であると考えております。それと全定併置の課題というのは全定どちらから見ても弊害があると考えており、夜間定時制を軽視しているものではない。夜間定時制を切り捨てるものではなくて今後新しい昼夜間定時制高校の3部制として存続していくんだというふうにご理解いただきたい。

*「全日制課程への通学意欲を持つ夜間定時制課程通学者の存在」について
そうした生徒がどのくらいの割合で存在すると考えるか。またその根拠は何か。そうした生徒は、全日制をつぶさずに入学枠を増やして受け入れることが一番の解決策と考えられるがどうか。

 毎年、東京都中学校協会の進路対策委員会が実施しています希望状況調査というのがありまして、夜間定時制を第1希望とする生徒は平成6年度以降800人程度で、これは中学を卒業して夜間定時制にに入学してくる生徒数の1/4にも満たない数で、中学卒業生全体では1%にも満たない。正規雇用の青少年の数が著しく低下している中で夜間定時制を設置していく必然性が低下しているというふうに考えております。では全日制の枠を広げていったらどうかということですが、受け入れについては公私で連携をとりながら引き続き努力していくということです。全日制に通えきれない生徒を受け入れるという状況があるので、単純に全日制の枠を広げてそちらにというわけにもいかない事情もある。夜間定時制に通う生徒の受け皿としては、昼夜間定時制が適していると思います。

*「健全育成の視点から昼間に学ぶことができる生徒の受け入れ、通学時間における生徒の安全確保を図る必要性」について
夜間定時制では、昼間働きながら夜学ぶという生徒が圧倒的に多く、働くことによる自立や社会性の確立などその意味は大きいと言える。昼間働くことと夜働くことではどちらが健全と言えるか。通学時間における生徒の安全確保をいうなら近くにある学校に通うのが筋だと思えるがいかがか。

 昼間に通学できるんであれば、昼間の学校で少しでも多くの生徒を受け入れることが、健全育成であるとか就学時の安全確保のために必要であるというのが基本的な考え方です。

◇台東地区昼夜間定時制について
*学級規模、午前・午後・夜間それぞれの学級数は

 全体で32学級で1学年8学級、1学級は30人ということで、各部の学級設置数は就学計画がベースになってくるので10月に正式に決定後、具体的にどのような学校にするか検討する基本検討委員会を設置させていただいて、具体的に決めていくことになります。

*どのような理由で、台東区・墨田区・江戸川区にまたがる広範な地域にある定時制を対象としたのか。

 地域バランスを考慮し基本的に各学区1校程度を考えています。また統廃合対象の学校の選定については一つは交通機関の便を考慮して統合後の新しい学校に通学できる範囲の学校ということが中心で、台東地区につきましては、5,6学区の地域をカバーする学校として設置。小松川がどうして選定なのかということですが、単学級ということで小規模化しているということと統合後新しい学校に通学が可能であるということと受け皿校があるということで対象としました。

*対象となる定時制として、台東商業(1クラス)上野(2クラス)両国(2クラス) 墨田川(1クラス)小松川(1クラス)小岩(2クラス)があり、1学年合計9クラス分に相当する生徒数を新たな昼夜間定時制で受け入れられると考えるのか。それはどのような計算からか。あくまで夜間を希望する生徒の受け入れは保障されるのか。

 現状のクラス数とこれらの学校の1年生の在籍状況等を調査いたしまして学級規模を算出しています。今回8学級規模で学級数だけ単純に見ると足りないように感じますが、受け入れ生徒数については十分確保出来ていると考えます。

*本校では、30分以内で自転車や徒歩で通学する生徒が圧倒的に多いが、台東地区まで遠くて通えないという生徒が、相当数出ると予想されるが、こうした生徒の就学保障をどう考えるのか。

 確かに通学時間というのは、生徒にとっても短ければ短いほどよいという側面は重々承知しています。当然ながら通学時間というのは考慮すべき事項の一つでありますけれど、そのことだけで教育条件整備を考えるのではなくて、むしろ一人一人の生徒にどういった教育内容提供できるかといったところが大切ではないかということです。今までの定時制教育の良さ・ノウハウをどうやって新しい学校に引きついていくかということも加味しながらやっていくわけです。台東地区以外にも、現一橋高校のところに千代田地区昼夜間定時制、また江東地区チャレンジ、この辺ですと江戸川高校・葛西南高校といった夜間定時制もありますので就学の受け皿は十分あるというふうに考えております。

*各対象校の募集停止時期は当然新たな昼夜間定時制の開校前はあり得ないと考えるが、計画として募停時期を示せない理由は何か。

 一般に学級規模の決定につきまして、毎年公立中学校の卒業生の動向ですとか、公私の分担そういったものを加味しながら総合的に判断して就学計画を策定しています。そういったことで募停時期については、現時点では明確にお話が出来ないということでご理解いただきたい。ただ募停の考えですが、通常2年前には予告します。また新しい学校が開校と同時に募停を行うというのが通例でございます。これはあくまで一般論で、変更することもあり得るということでご理解願います。


<参加者からの質問・意見とそれに対する都教委からの答弁>
*新配置計画案について「生徒の多様化と、少子化に伴う生徒数の減少に対応し、都民にとって魅力ある学校づくり進める」と書いてありますが、これについて詳しく具体的に説明してほしい。それと新配置計画案作成にあたっての新たな実施計画案についての考え方の(1)基本的考え方として「学校の統合・改編による多様で特色ある学校の設置」とか「生徒の個性や創造性を伸ばす教育の推進」とか「日本の未来を担う人間の育成」とか書いてあるんですけれど、こういう言葉についても抽象的な言い方でなく具体的に説明してほしい。

 「生徒の多様化と少子化に伴う生徒数の減少に対応し都民にとって魅力ある学校づくり」ですけれど、今までどちらかというと教育そのものが単線化ということで、普通高校といわゆる専門高校というような分類がありまして、高度成長の頃であれば高校・大学出てサラリーマンになるとかそういった選択肢が非常に多かった時期があり、今の時代は大企業に勤めるとかそういったことだけではなくて、さまざまなベンチャー企業とか、いろいろな分野に興味がある、非常に生徒の多様化といいますか、子どもの中に多様化が進んでいます。それが一点です。それと「少子化に伴う生徒数の減少」ということですが、平成10年度の1次計画、長期計画を策定する際、いわゆる今後の中学校の卒業生を予測しますと非常に少子化が進んでいくだろうと。生徒の多様化と少子化という生徒数の減少といったところに、当然税金で学校を経営しているわけで、この辺の調整を如何に図っていくかというところが−−−。「魅力ある学校」ということですけれど、今特色化・個性化といわれる時代の中で都立高校そのものもいろんなタイプがあっていいんじゃないか。普通高校と専門高校と大きく分けて、そんなところがこれまでの都立高校の特色だったと思います。新しいタイプということで、総合学科高校ですとか、これは普通教育と専門教育を行う新しい学科ですけれど、また新しい昼夜間定時制・チャレンジスクール、あと今回提案させていただいています中高一貫高校、そういったことでさまざまな学校を作っていくということが都立高校の魅力あるものである。今まで既存の学校の中で普通科であっても特色化を図っていくというふうなところも必要である。いわゆる幅広い都民のニーズに応えるために都立高校もいろんな形を用意しておこうということでこの計画が始まったわけです。それが平成9年度です。その後世の中の動き、現代社会のグローバル化・ITといわれるような技術革新、それと学区制を撤廃していくとか、社会の中で教育界を取り巻く変化というものに合わせた形で学校の有り様を変えていく。今まではどちらかというと生徒の多様化と少子化という視点で高校改革を推進してきたわけですが、そういった社会の変化に積極的に対応していくような都立高校をつくっていこうということで、一歩踏み込んだ形で新たな計画というふうに言っているわけです。
 「学校の統合・改編による多様で特色ある学校の設置等のハード面の改革」これはですね、いわゆる狭隘校ですとか2つの学校をつけて1つの学校にするとか、そういった意味では昼夜間定時制も一つの母体校に夜間定時制をつけるという形での学校の設置ということで、これはハード面の改革というふうに呼んでいますけれど、そういった部分と学校にマネージメントの手法を取り入れて、学校全体で効率よく経営の視点に立ったやり方で、都民にどんなふうな学校を経営しているのか、どのような仕組みで学校は動いているのか、これから経営計画というのを各校から提出していただいて、それを都民に公表して、そういうことでこの学校は運営していきますよということで示していく。そういった意味でのソフト面の改革ということをご提案させていただく。ですから今までどちらかというと統廃合というようなハード面が多かったわけですけれど、今後はソフト面の改革を具体化させていこうではないかというふうな計画になっています。そのことによって、生徒の個性・創造性を伸ばす教育を推進していこうと。今後日本の未来を担うような人間を是非育成していきたいということで今回の高校改革を推進していきたい。

*台東地区に出来る学校について、山谷の中を歩いていくというふうに聞いたのですけれど、そうすると環境からいって学生が歩いても大丈夫な場所なのかというのがちょっと心配です。だったら日本橋の方から墨田区に移転してきますよね、なぜそっちの方に、こちらの方のメンバーが行かないでわざわざ台東区の厳しい環境の山谷とか、私も行ったことないのでわからないのですが、そういうところへ行かなければいけないのか。

 今度出来る台東商業の場所ですけれど、浅草から徒歩で15分程度ということで、山谷地区には該当していません。浅草から15分をどう見るかはあるんですが、都営・東武・営団地下鉄3線とバスの便等入れますと非常にまあ−−−。それと確かに小松川から見た場合、平井駅から考えれば今後一橋高校の跡地に千代田地区昼夜間定時制を確保しているわけで、距離的に見れば浅草橋から約5分というアクセスはいい。それで計画する際にどのエリアをカバーして学校を設置するか、一応5・6学区をカバーするのを台東地区、1・2・4学区をカバーするのが千代田地区というふうにすみ分けをさせていただいています。当然ながら選択するのは生徒で、どこへ通ってもらっても−−−。

*もう一つ意見を言いたいと思います。今PTA会長をしていますが、先ほど日本の未来ということですごくいいことだと思うんですね、確かにすばらしい人材を作るという意味ではこれからのことを考えた計画だと思うんですけど、じゃあ落ちこぼれた人間は誰がするのと言った時に、私は子どもだけの責任じゃないと思うんですね。本当に多様化しているということなんですが、自分の息子を通してなんですけど、親の目の届かないところで何をしているかわからない、そういう子どもを持った親の悩みというのは親同士じゃないとわからないと思います。この間役員会とか保護者が集まっていただいた時に、子どもの悩みとかいっぱい出てくるんです。その時いろんな話をして、お互い激励仕合ながら、この子どうやって救っていこうか考えるのが−−−。都の方がどこまで考えていただけるかな、そう思った時にやはり自分の子どもも含めて将来ある子どものことを考えるの親である私たち保護者かなと思った時に、何としてもこの小松川を残してもらいたいなと。確かに3部制の高校もすばらしいと思うし、人数が多くなった時に親を集めるというのが大変な闘いなんですよ。どこまで親が子どものことを責任もてるかと言ったら、無責任な親が本当に多いと思います。子どもはやはり親の背を見て育つ。大人が悪いから、今教育自体がおかしいんじゃないかなと。だったら大人を先ず教育する必要があるんじゃないかなと思ったんです。それで、小松川の私たちとしては、先ず親を集めて、親同士で子どものことをいろんな意見を言いながら、アドバイスを受けて自分の子どもに対して教育していこうと。もちろんしつけなんですけれど。やはり人数が多くなるとそういうことが出来なくなる。それは少人数でやるべきかなと、特に小松川見ていたら本当にそういうところで悩んでいる親御さんも多いし、子どもも多い。その一点だけ取ったら、やはりもう何年か小松川を残してもらいたいという思いがあるんですね。本当に今大人がどこまで変われるか、成長できるかなという闘いを、今私たちは小松川としてやりたいと思っているし、先生だけじゃなくて今子ども達のことを考えるのは親も地域も全部含めてのことだと思うんで、何とか一つのテスト校として小松川を残してくれればありがたいなと思います。

 色々貴重な話をいただきまして、私どもの考えはお示ししたとおりで、いろいろと御異議あろうかと思いますが−−−、私どもは小規模の良さというのは重々認めますけれど、やはり学校の規模等の形を用意した方がより定時制に通って来る生徒の教育効果は−−−。そういった貴重なご意見を今後いわゆる小松川高校の教育の今までの実績をいかに引き継いでいくか、そういった部分でお知恵を貸していただき、今後は行って来るお子さんについても、小松川の良さを実感して味わえるような教育課程に結びつけて、来ていただければなと私の感想も含めてですが。

 
*子どもの多様化と言った時に、生徒の実態というのは定時制においては正規に雇われていいる勤労者が少ない、それ以外の実態に対してはどうなのか。それから併置の弊害ですね、それに関しても、先ほどから定時制教育を充実させるということをそちらの意図として聞いているんですが、その姿が先ず見えない。要するに小規模による教育効果の低下、低調な部活動の問題とか、そういう話は出てきますけれど、多様化の中心は特に問題を抱えている生徒が多い、それと定時制の生徒数、確かに定員を満たしているところは少ないけれど、定時制に入ってくる人数は確実に増えているんですね。そのことというのは、うちの子もそうだったが問題を抱えている生徒が多くなっていると。それは今定時制が受け皿になっている。その中で子どもがここに来た実感からしても、定時制はすごく特徴のある学校だと思ってきているわけですね。そのことに関連して、現在台東商業は全定合わせて1000人弱ぐらいらしいのですけれど、今度5つの定時制を統合して合わせて1400名ぐらいの人数になるんですね。全員いくとして400名ほど入れないということになるが。

 全日制の部分については今回の就学の対象からはずし、昼夜間定時制は普通科の高校となり、台東商業は商業科の高校でその部分については取り除いて考えて、その受け皿は公私比率で就学計画ということできちんと受け入れるだけの数は用意します。定時制部分については、十分受け入れ対応できると考えています。

*確かにハードな部分でこういうふうに変えると言いながら、ソフトの部分がそこが一番子どもたちにとって大事な部分なんですよね。今定時制に通っている子たちは通えるのかとか、私たちに伝わってこないんですね。だから何を改革したいというのか、今ある定時制より何を充実させていくというのか、はっきり言って全然見えてこないんですよね。私たち自身は、自分の子どもが定時制に通った経験からいえば、もちろん足りない部分はありますけれど、その子どもが成長していくと言うことに関しては、他の全日制に比べて足りているというふうに思っているわけですよね。そこが見えてこないですね。

 どんな学校をつくっていくかということは、具体的には案が正式決定された後基本計画検討委員会で色々議論してどういう教育課程をつくるか検討いたします。私どもで考えている内容を若干紹介しますと、まず一つは三修制、三年で卒業できるシステムを、そのために学年制の良さを生かした単位制を導入したい。総合学科にするわけではないが、ある程度総合学科の特徴を選択制で幅広く入れていこう、できるだけ選択を踏まえて進路に合わせて進学・就職できる、行きたい道に行ける様な弾力的な教育課程をつくっていこうと、まだ抽象的ですが、そんなイメージでそんな学校にしていったらどうかと。

*私たちに届いているのは、いきなりこういう案が出されてこうですと話されるだけですよね。逆転していると思うんですよね。こういうふうにやりますからとなって初めて実施できるものであって、入れるものだけ出来て決まってから考えるというのは、私たちからすれば逆転しているんですね。それでもしもそれがダメだったらどうなのか。逆に具体的に今までの定時制でこういう事があってそういう3部制にした時に、それがいい学校というイメージが−−−、今通っている子がそれ以上見えてこないというのがすごく何かおかしいなと私はまず感じます。現在江戸川区ですと、江戸川定時制でも定員以上入っている、60人に対して66人今年入ってるんですね。今増えているんですよ。そういう時に例えば障害者の方とか通って、そこで勉強して子どもたちもいい影響を受けて、定時制って豊かでそこは魅力的だなと思いますね。不登校経験者、在日の外国人、ハンディキャップの子、いろんな方がそこで仲間関係を持ちながら学んでいけている。これから3部制をつくるというのであれば、そういうことも全部包括してそれに代わるものをはっきりと提示してほしいですね。

 今現在開設している昼夜間定時制、新宿山吹といいまして台東地区につくるものとは違うんですけれど、自立志向の生徒を受け入れるということで、あと桐ヶ丘・世田谷泉、チャレンジ2校これも今回と違うんですけれど、新宿山吹の例をとりますと入試倍率2倍以上ということで、それと中退率は8.9%と非常に少ない。進路は、約3割が大学へ、三修制ということで約5割が3年で卒業してしまう。ただ実態はいろんな生徒さんがいる。桐ヶ丘・世田谷泉これは不登校経験者の生徒を受け入れているということで、桐ヶ丘3.48倍、世田谷泉2.77倍と非常に高い。こんな話をすると入選倍率が高くて入れないんじゃないかというご心配は出てくるかも知れませんけど、現在開設しているのが全部で3つで今度出来ますと11校です。ですからこんな高い倍率は出てこないと、そういう意味では非常に人気が高いといいますか。私どもが一番懸念する中退ですけれど、非常に中退率が低いということでその分生徒さんそれなりに行かれて一生懸命学んでいらっしゃるかな。

*中退者も今10万人ぐらいでますよね。不登校とか東京の場合4000から4500名ほどありますよね。何というか入れ物をつくれば、その人たちが何かが起こせるかと、これってすごくデリケートな問題を含んでいますよね。だからこそ定時制って少人数でいろんな子がいますよね。そちらもよく集団教育がなかなか出来ないっていうふうにいうけれど、同年齢のいる集団とまた違って定時制というのは年令が離れているということでやはり子どもたちの受ける刺激ってすごくあるわけですよね。それは、もちろん年令だけじゃない、ハンディを持った人がどうやって生きているのか、外国人の方がどうやっているのか。それを身近に見ることによって自分の抱えている問題をその中で色々考えたり出来るという、それってすごく定時制の良さなんですよね。特に今回全定併置ということでほとんど進学校ですけれど都は優秀な人材をつくりたいという、それはすごくわかりますよね。だけど、そういうふうにいい状態にある定時制をつぶすほどの価値ある改革なのかということをもうちょっと論議して欲しいんですね。今新聞紙上を見てもそれこそ乳幼児が餓死する時代ですよね。虐待の問題、いろんな問題を抱えた子どもたちがこれから減ることはないんですよね。それを子どもたちが行きたいところへ選択すればいいというのではなくて、その子たちにとってどういう学校の姿がいいのかということを討議して欲しい。

 ご指摘の通りですね、今までそういった例えば中退者の方、不登校傾向の方、いろんな形で受け皿になっていたのが実は夜間定時制で、なぜかというとそれしか選択肢が今まで無かった、これが事実であります。ただ本当の意味で夜間定時制のみを選択肢でよいのか。私どもは昼夜間定時制ということで、今回いくつか集約して設置させていただきますが、決して夜間定時制がダメだとかそのものを無くしてしまおうとか考えていません。それは全定併置の形がいいのがどうか、全定併置は全日制にとっても定時制にとっても、やはり弊害があるということで解消を図っていこうということでございます。決して夜間定時制の役割、定時制教育の役割というものを否定するものではありませんということだけはご理解いただきたいと思います。ですから昼夜間定時制とはどういう学校なのかわからないというご指摘には、こちらもそのへんの説明の方も足りないのかと反省するわけですけれど、いろんな生徒に夜間定時制の方向を選んでもかまわないし昼間へ行きたければ昼間へ、ただ全日制を中退した生徒が昼間通うのであれば午前部の昼夜間定時制を選択する方法もあるのではないか。定時制教育においても、いろいろ多様化といいますかそんなにあるわけではありませんが、いろんなメニューで応えることも私どもの指命かなと考えております。

*私の息子、今年1年生でこちらでお世話になっていますが、ハンディキャップを持っています。いろいろお話聞いていると、「みんな選択肢があるから用意したものに行けと、決して定時制をなくすのではない。3部制をつくるからそこに行って、いいとこも引き継いで。」とおっしゃいますけれど、ハンディのある子、行けるところはもっと無くなりますよ。私の子、教育委員会にお話しすれば養護学校というものが用意されているとおっしゃるのが当たり前のようですけれど、私は囲われた中でずっと教育して、ぱっと世の中に出して、ではみんなでやさしくみんなで仲良くしなさいという教育は絶対あり得ないと思ったので、生まれてからずっと世の中の中で、普通の保育園に入れて、普通の小学校に入れて、普通学級で中学校を出て高校に入りました。高校に入るのもとっても実際大変でした。大変なのになぜ入るのかと教育委員会の方はおっしゃいます。選択肢は全くないですよ、障害のある子にとって、養護学校が用意されているからそちらへ行けと、やっとこちらに入って−−−。ハンディのある子も教育を受ける権利はあるし保障されていいと思うんですね。でも先ほどの話ですとハンディのある子は全く選べないじゃないか−−−。私は、今ここに通って、実際まわりの子が障害の子を目の前にして、ハンディの子と一緒に学んでたくさん得てくれていると思うし、彼も楽しそうに居場所を見つけているんですよね、この学校で。うちは近いからこちらへ通えるんですよ。定時制は決してなくなる訳じゃないと、他の定時制を選べばと言ったら、通えないですよ。定時制をなくさないで3部制に統合していくということは、いろいろな場所に定時制があるからこそ全日制なり3部制を選べない子も定時制に通えるわけじゃないですか。ハンディのある子を持った一意見ではありますが、持ち帰っていただき、そういう意見もあるんだということを教育委員会でもう一度討議していただきたい。

 ご意見ということで伺ってよろしいですか。

*きわめて具体的な質問ですので出来ればお答え願いたい。台東地区に出来る高校は8学級規模なので、合計9クラスの定時制がなくなったとしても、1年の在籍数は8学級で十分確保出来るとおっしゃいました。問題はそれが全部や夜間定時制ではないわけですね。そうすると、午前・午後・夜間に案配よく散るという保障はなかなかないわけですね。生徒の希望が偏った場合、どこかスカスカになることもあり得る、夜間なら夜間があふれてしまうこともあり得るというふうにお考えになるのが普通でないかと思うんですが。

 クラス数のやり方としていろいろなパターンが考えられるが、そこは就学計画の中で中学卒業生の動向、どういう希望があるかにらみながら、これは今でもそうなんです、毎年クラス規模・学校規模を決めています。ですからそれはその時点でないとはっきり言えない。

*一応そういうところは配慮するというご回答でございますけれど、うまく生徒が散るとは限らない、かなりのリスクは伴うだろうと。正規の雇用の就業率が低いということですけれど、生徒の希望だけでそうなっているわけではないですね。今の日本の競争力の弱い企業の実態の中でいわば本人が希望しないにもかかわらず、企業の都合でパートにされているという生徒が非常に多いという現実、これは私のクラスの中にも何人かいます。そういうことについてお考えいただきたい。あまり正規雇用率について大上段にいわれますと違和感がございます。そのことと関連して、通学時間は考慮するがそのことだけでなく提供する教育内容含めて教育条件の整備を考えたいとおっしゃられましたけれど、正規雇用でないけれど一見フレキシブルな労働が可能に見える生徒が実は朝から夕方までフルタイム労働を今勤めている企業では要求されている。それ以外の雇用形態はあり得ない。ただし名目上、それはパートタイムあるいはアルバイトになっている。そうすると「通学時間は考慮すべきだが」と簡単にいわないで、通学時間を考慮していただかないと通えないのではないか。これはお答えいただかなくても結構ですので、ご検討下さい。それから全定併置校の弊害の解消ということについては、これは昼夜間定時制だともっと弊害に−−−。例えばクラブ活動やりたい体育館を使いたい時間に午前部が終わりますよね、その子たちがクラブ活動やりたいと思うと午後部の時間、体育館に入ってくる。午後部が終わり夜クラブやりたいと思ったら夜間部の授業が始まる。全定併置の弊害は、ある意味で昼間の学校を基準に考えて夜がなくなると都合がいいというのはわかりますよ。全定併置の弊害をそれだけおっしゃるなら、昼夜間定時制はいろいろな意味で全定併置校よりも弊害は大きくなるという面について、是非ご検討いただきたい。今お答えいただかなくても結構です。もうひとつ申し上げたいのは、葛西南定・江戸川定があるんですけれど、江戸川定は60人定員のところ66人、葛西南定は60人定員で59人ですよね。葛西南定は何年かに一度定員オーバーしますけど、そういうことを考えますと江戸川定と葛西南定は満杯で、それを受け皿にするということはどうかなと。従って総武線沿線の生徒が行く学校が残るんだろうかと。それから、昼夜間定時制は大規模でないというんですが、この学校の生徒を見ていると一学級だから続けられる。これは情けないかも知れないけれど、対人関係のつまずきに弱い生徒がいる。現実にこのつまずきに出会ったり、そういうつまずいている子の親の悲しげな訴えを聞く時、弱いからダメというふうにならないと思うんですね。そうすると1年8学級でも3部に分けるから、一つの部に2〜3学級だとおっしゃっても、たとえそこに3学級あった時、そういう対人関係のつまずきに弱い生徒は行くだろうか。この学校はせいぜい1学級20人いかないですよね、現実には。そういう小さな学校だからつまずかないで来れるんじゃないか。おそらくやり合っても多分かみ合わないかもわからないので、そこをご検討いただきたい。

 ご意見として伺っておくということで−−−。

*先ほどの質問書に対する回答を聞いていますと、今まで書かれているようなことをそれにあたる部分で発言・説明されているという感じなんですけれど、その中で1次・2次の計画が評価されているんだと、やったことは都民から支持されているんだというような言い方もされました。ですけれど、この間1次・2次の該当校になったところではなりの反対の声があって、区議会への請願や都議会への陳情等もありましたし、未だに運動を続けているという該当校もあるんですよね。そういう直接都民の声が突きつけられるいわゆる署名が積み上げられ、こういうことに反対だという声が圧倒的に広がり、マスコミに報道され、その様な経過でこの間1次・2次があった思います。学校をつぶしたことに対して、果たして都民が本当に支持しているのかどうか非常に疑問なのですけれど、どのようなことを根拠にそのように言われるのか、お聞きしたい。

 この計画を作成する、今回1次・2次の時も同じでございますけれど、事前に案としてお示しして学校関係者やいろいろな方々のご意見、それから都議会でのいろいろな議論があります。そうしたいろいろな意見をふまえまして、最終的には教育委員が委員会として決定することでございます。いずれにしても反対意見という形で一番わかりやすいのは陳情・請願という形でかなりの数、議会の方に受けています。それに対して都教委としての考えを述べるということで、採択・不採択という形で都議会としての決着はつけてございます。今こうして先生方・保護者の方含めまして、意見はすべてこういうふうなご意見ありましたということを報告させていただきます。判断するのは最終的には教育委員会がどうするかということがあろうかと思いますが、そうした経過をふまえてこの計画は決定していく。そういう意味では、今までの1次2次はそういう手続きをふまえながらやってきたというふうに理解しているということでございます。


*その経過に関連してですけれど、いろいろ意見を聞いて反映させたいという説明はありましたが、今まで1次2次みまして、計画を見直したという例はないんですね。反対の声・意見を聞いたんだけれど、聞くだけで計画に生かしてないんですよね。こういう意見があったからそれを取り入れてこうしましたというケースがないんですよ、学校全部つぶされてしまって。今回10月に決められると言われてますけれど、我々がこのように意見を言っても、要望を言っても全く変えられないんだったら、言っても意味がないんじゃないですか。しかもこの計画が教育委員会の中で検討され発表されるまでに、どういう形で都民や該当の学校や関係者の声を直接聞いて、それに取り入れるようなやり方をとったのですか。そういう形がないんですよ、今までの1次2次を決めた時も。いきなり出てマスコミ発表され何ヶ月後に決められてしまう、そういうやり方でしょう。なぜ案を出す段階で該当校なり関係の都民・保護者に直接聞かないんですか。密室みたいな教育委員会の中の検討委員会で、校長も教頭もいるから定時制の声は聞いたんだとそういうふうに言われましたけれど、100校近い定時制がつぶされようとしている時に、なぜ今通っている関係者に直接聞かないんですか。そういう資料がないんですか。納得出来ませんよ、こういうやり方そのものが。

 昼夜間定時制に限らず、昼夜間定時制ですと定時制高校検討委員会、こういう形でこれもオープンでございます。そういった形で今後の有り様をお示しし、これは関係者を含めまして討論した上でのものととらえております。それと平成13年度でございますけれど、都民の意識調査と言うことで、都立高校の今後のあり方をかなり詳細にわたって聞いている。また、当然ながら各学校から、このことに関してではございませんけど、様々な形で校長先生を通して学校の課題等ヒヤリングを通じていろいろお聞きしている。そういったことでなるたけ出来る範囲のことで、今回の計画も−−−。それが不十分だと言われれば、そうかも知れませんけれど、出来る限り議論を尽くしながら、今回は案としてご提示させていただきたいということです。

*ただ今、都民意識調査と言われましたけど、私も見ました。でも意識調査のアンケートの聞き方次第なんですよ、その結果もね。都立高校改革がこうだ、ああだという特色化の問題とか書いてあって、統廃合の実情とかそういう問題なんか全然ふれられていなくて、果たして知っていますか、知りませんかと。こういう聞き方では、「マスコミから聞いていますよ、でも具体的に細かいことは知らない。」という人が圧倒的に多かったわけですよ。そういう聞き方で、かなり好意的に都民が支持しているという受け取り方をするような、すごい意図的なやり方を感じるんですよ、結果を見ても。だけどその中でも、やはりこれまでの都立高校の良さを評価する声はあるわけですし、使いようによるんですよね。それによって支持されていると言われても納得出来ないし、今の説明でも、直接都民や関係者から聞いているという説明はなかったわけですよね。要するに、校長を通じてとかそういう形でしかないと。そういうことでは全く計画に反映されていないということは明らかですし、検討委員会はオープンと言われましたけれど、6回開かれた検討委員会は秘密会でしょう。その経過については全然都民にも知らされてなかったでしょう。報告が出された後オープンになったんですよ。その過程がオープンなっていないんだから、どういう議論がされ、どういう関係者の意見を聞いたのか出されていなくて、しかも併置校の弊害がいきなり出てきて、解消することが目的だというふうになってしまったんですよね。なぜこういうことがいきなり出てくるんですか。併置校は戦後何十年も全定でやってきているでしょう。それが何故この時期に弊害だということで、すべての夜間定時制をつぶさなければならないんですか。納得出来ませんよ。小規模校について、小規模校は教育効果がないなんて言われましたけれど、今回の計画の中で八王子地区はどうなんですか。4学級規模の定時制がつぶされるということですよ。大規模じゃないですか、教育効果あるでしょう。何故そういうところをつぶすのですか。「全定併置の弊害」解消でひとまとめにするためのそういう計画でしょう。全然教育効果云々の問題ではない。あともう一つ、生徒のことを考えているんなら、あってはならないではしょう、大島南分教場の今年度いっぱいで廃校というのは。今通っている生徒が通えなくなるんですよ。どうするかというと15キロ先のところへ行けと、今いる生徒は通えないということでやめざるを得ないですよ。こんなこと教育委員会が認めるんですか。生徒の学習権保障出来るんですか。学校つぶすことによって財政効率どうなんですか、アップになるんですか。おかしいですよ、何でもかんでもつぶそうとしているじゃありませんか。納得出来ませんよ。

 先生のご意見としてお伺いしておきますけれど、これ何度も繰り返しになりますけれど、今回の定時制の部分については何度も申し上げた通りでございます。またご意見がありましら−−−。

*私の息子が定時制に来たから思うんですけれど、当たり前に小学校・中学校行って、下の息子が都立全日制に行ってますよ。子どもが行っていることに対して、これだけいい学校なのだからつぶさないでと言えるかというと、それはわからないです。でもここの定時制に関して、やはり子どもが来て、私は定時制についての認識はほとんど無かったんですけれど、こういう学校があるってこと、そこにいろいろ子がいるということ、この学校だから通えるということがあったということを多分どこの定時制のお母さんも言っていると思いますよ。定時制PTA総会でも訴えましたけれど、どこの定時制のお母さんもすごくその定時制によって子どもが本当に自信を持って次の目標に向かっていったという−−−。定時制というのは人数少なくて、いろいろな人の生き方、それが見えてくる。先生も人数少ないから、人間ですから言い面、悪い面、そういうものも全部含めて、子どもはすごく許容量が増えてきますよ。やはりそういう関係があっていろんな自分の問題を解決して、そういうことを目の当たりに見るから定時制っていいからなくさないでくれ−−−。定時制というのは、今の日本の学校の中ですごく特色があって、生きている学校だと思いますよ。
 
*私が最終的にお聞きしたかったことは、皆さんもお話ししていますが、定時制に来る子、不登校の子が多いですね。私もこの案が出てから、こういう集まりに行きました。やはりお話聞いているとうちの子も不登校で定時制へ行ったという人が多いです。地域で不登校のことを考える会をつくっているお母さんが圧倒的に多いですよ。自分の子もそうでしたから、不登校の子についてだけでは言いたくないんですが、文部省は、不登校は誰にでも起こりうるといっているわけです。全日制から定時制に移ったりとかする子もいるわけですよね。なぜそういうふうになるのかという根本的なところが何なのかところをまず解決してほしいというのが−−−、それに基づいて計画をつくっていただきたい。公立中学校卒業生の実態が出ていますけれど、この10年間で6万5千人生徒数が減っていても定時制の生徒は余り減っていない、横ばいなんですよ。そういうことについてどういうふうに考えるのかというのも次にお聞かせ願いたい。この計画をつくったのは、前校長も入っています。その校長先生がこれをつくる時になぜ、親に一言も言わずに進めてきたということを本当に許せない。何回もお話しする機会があったのに何も言わなかった。子どもたちの前で平気でいつからなくなるって、そういうことを責任を持って言えるかということを前校長には伝えてほしい。

(次回もこうした機会を持つということで説明会を終わる。)



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