「新配置計画」の決定に強く抗議し、今後とも夜間定時制高校の存続を求めていきます。

 本日、教育委員会は定例会において「新配置計画(案)」を決定しました。私たちはこの決定に対し大きな怒りをもって抗議いたします。
 6月27日に提示された「新配置計画(案)」は、新たに『昼夜間定時制高校』を設置するとして夜間定時制高校32校を統廃合するもので、第一次、第二次と合わせると現在の都立夜間定時制高校の6割以上が対象となる大規模な定時制つぶしの計画です。
 現在、夜間定時制高校には勤労青少年の他に、中学校時代不登校であった生徒、全日制高校を中退した生徒、ハンディキャップを持った生徒、高齢者、外国人生徒など、実に様々な生徒が学んでいます。これらの生徒の多くが自宅や職場の近くにあるから通うことができるのです。いくつかの夜間定時制高校を統廃合してつくった「昼夜間定時制高校」は、現在の学校からは確実に遠くなりますし、生徒の数も多くなります。夜間部だけでは現在の生徒数を受け入れる規模はありません。このような学校に果たして夜間定時制高校の生徒が通いきれるのか非常に不安です。また、残っている夜間定時制は、定員いっぱいの状態でこれ以上生徒を受け入れられない学校がいくつもあります。
 私たちは東京都教育委員会に対し、「新配置計画(案)」の見直しを5回にわたり要請してきました。多くの保護者、卒業生が夜間定時制高校の良さと、その存続を訴えたのに対し、教育委員会は誠意ある回答を示さず、「はじめに統廃合ありき」の頑な姿勢を崩そうとはしませんでした。生徒の通学保障についても、「社会通念上妥当の範囲」とか「今通っている生徒には保障される」という回答に、多くの参加者からは教育委員会に対する不信感と怒りがわき上がりました。さらに、最終段階になって「中高一貫校」(両国高校)の開校を一年早め、それに伴って、残っている定時制生徒を別の学校へ移すことを明らかにしました。結局、教育委員会は夜間定時制高校に学ぶ生徒および将来夜間定時制高校で学ぶ生徒のことなど全く考えていないと思わざるを得ません。憲法や教育基本法で保障されている“教育を受ける権利”や“教育の機会均等”を無視するものであり、人権侵害にも等しいものです。
 この間、都議会の多くの会派をはじめ区議会や市議会から、また、全都のPTA連合会からも拙速な決定をせず、せめて1年ぐらいの検討を求める要請が出されました。しかし、教育委員会はこうした関係者や地域の声を無視してわずか数回の議論で一方的に決定してしまったのです。
 今回の決定は、内容・やり方ともに到底納得できるものでありません。大島南分教場の廃止を1年延期したものの、在校生は本校に行かざるを得ないことには代わりはありません。私たちは、このような東京都教育委員会の姿勢に抗議するとともに、今後とも「改革推進計画・新配置計画」の見直しと夜間定時制高校の存続を求めて運動を続けていく所存です。都民の皆様のご理解とご支援をお願いいたします。

2002年10月24日
                        都立定時制高校を守る会・連絡会

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