04年度第1・2学区定時制説明会報告
「進学させるにあたり不安が大きかったのですが、それが安心に変わりました。」
参加した中学生保護者の感想

 第8回第1・2学区定時制高校説明会が12月18日(土)午後2時から行われた。参加者は、約三十数名で中学校関係者は十数名でした。
 最初にA高校定時制の「定時制紹介」ビデオを上映した。内容は、定時制高校生活の行事などを紹介するものでした。定時制高校の雰囲気が伝わるビデオでした。

 次に支部長のあいさつがあり、その後「定時制高校の入試についての説明」がBさんよりあった。

「在校生・卒業生の定時制高校の説明」では、最初に『C高定に入学して』というテーマでUさん(1年生)は、「全日制を退学し、一からやり直し定時制高校に入学しました。暗いというイメージがあったのですが、やさしい生徒たちに出会い、積極性がでてきて、クラブを立ち上げたり、生徒会に入りました。自分がやる気を出せば愉快な仲間達と頼もしい先生方もいます。私は定時制に入ってよかったと思っています。」と話した。『D定に入学して思うこと』というテーマでE君 (D高定2年)より 「登校するときはなにかと不安でいっぱいかもしれませんが、いざ登校する時はそんな不安が吹き飛びます。また、給食を食べるときが一番楽しい時間かもしれません。」と話してくれた。『F定時制に入学して』というテーマでGさん(H高定4年)は「私は五十数才です。高校へ行きたいと思いつつ、勇気ときっかけがなく、長い間行くことができませんでした。定時制に入学して、中学の数学や英語をわすれていました。また、習ったことをすぐ忘れてしまいました。でも人間は努力努力と頑張りました。定時制に通う生徒はみんなすなおで明るいです。印象に残っているのは、パソコンで地図を書いたことと沖縄の修学旅行です。」と話した。「私は、定時制に入学して勉強をする要領がわからず苦労しましたが、先生たちが親切に教えてくれて、今は学ぶことが楽しいです。」と語ったIさん(H高定4年六十代)『定時制の四年間』というテーマでJさん(K高定4年)は 「中学時代、不登校で、卒業後1年間は引きこもりをしていました。定時制は怖いというイメージがあったが、イメージと違い、部活動も活発であり、先生とのコミニケーションがあります。卒業後はT市に就職が決まりました。この4年間は良い思い出でした。」 と話した。

 休憩後、『私の出会った定時制生徒たち』というテーマでN先生(前定時制教員)からお話があった。その後、『こどもを定時制に入れて』 というテーマで Mさん(O高定・保護者) からお話があった。

 質問コーナーでは次のような質問があった。「内申点の扱いは」「全日制への転入の可能性は」「昼間、仕事などをしていない子はどんな生活をしていますか」「現在の定時制高校は残るのですか」「いじめはありますか、その対処は」「入学後の定着率は、支えかたのアドバイスがあれば」「卒業後の進路指導は」などがあった。Pさん(Q定)がこれらにていねいに答えた。最後に、司会のRさん(S定)より閉会の言葉があり会を閉じた。会の終了後、分会コーナーで保護者などが相談していた。

 参加者の感想では、中学生は、「生徒の話が良かった。」、保護者は「子供達の生の声も聞けてよかったです。親同士子供同士などで話し合える場面があってもよいかと思います。」「ビデオも皆がきらきら輝いていて素敵でした。」「定時制のイメージが変わりました。」、他には「高校生活を通じて大きく成長し、自信と希望あふれる内容で感動しました。」(塾教員)「より多くの人に聞いてもらい現状を知ってもらいたいです。」(元中学教員)「もう少し早い時期に生徒に参加させるように働きかけることができればよかったと思います。パンフレットがすべて入手できればうれしかったですが」 (中学教員)などと概ね好評でした。 

04年度5・6学区定時制説明会
 2005年1月23日(日)、5・6学区定時制説明会が曳舟文化センターで開催されました。約40名の参加者(中学生、保護者、中学校教員、都立高校関係者)がありました。説明会は、定時制紹介ビデオの上映と、各学校の紹介がありました。前回の定時制募集では、二次募集で不合格者が出るという事態がありました。(都教委の統廃合のため、定時制高校の募集停止があったため)
その影響で、前回二次募集で定員を超えた学校からは、ぜひ一次募集での受検をすすめるアピールもありました。

04年度多摩学区定時制説明会報告
「教育の原点」が、定時制にはまだ生きている(保護者の感想から)

 立川高校にて(2005年)1月15日、多摩学区定時制説明会が行われ、中学生・その保護者等が参加しました。

 司会の開会に続き、主催者側の挨拶、三多摩高校問題連絡協議会からの挨拶が続きました。その後、「定時制とはこんな所」という話があり、あとは各学校の紹介を教員が行いました。
 休憩のあと、独自の資料をもとに、今の教育状況を解明し、昨年大江戸高校の地域で起こったことが、今年の多摩地区の入試でも起こりうると指摘した話がありました。(23区東部では、大江戸高校の開校に伴って、夜間定時制の募集停止があり、周りの夜間定時制の二次募集で定員オーバーが相次いだ。)

 その後、集会のメインともいえる「在校生・在校生の保護者・卒業生の話」に移りました。
 ある在校生の保護者は次のように語りました。

 私の息子は、小学校3年生の時、5日間だけ登校したあと、「明日から学校に行かない」と宣言して行かなくなった。私の育て方が悪かったのかと悩む毎日だった。それでも、先生が声をかけてくれて、夏休みに学校にちょくちょく顔を出すようになった。2学期になり、私は息子と一緒に登校した。しかし少したって息子の顔がこわばるようになり、結局学校に行くのを断念した。私は自分で息子を育てようと決意した。中学校3年まで、家庭やフリースクールなどで暮らしたが、不登校の友達もできた。中学3年の終わりの頃、この「定時制説明会」があることを聞いて、息子が「行ってみたい」と言いだし、一緒に説明会に出た。生徒さんの話を聞いて勇気づけられたようだ。C高校の定時制に入って、元気に毎日出かけている。中学校では通知票をもらうと、いつも出席がゼロだったが、高校で通知票をもらってみたら、欠席がゼロになっていた。不登校の6年間は無駄ではなかったと思っている。皆さんも是非定時制に来てほしい。

 また在校生の生徒は次のように語りました。

 僕は別に不登校ということではないけど、中学の時手術を受けたりして入院することが多く、先生から「行く高校はないぞ」と言われた。中学校時代のクラスメートと話すと、定時制に対して暗いイメージを持っている。入ってみると確かに怖そうなおにいさんもいたが、同じ中学から行った友達もいて、精神的に助けられた。やめていくやつもけっこういたけど、皆いいやつだった。定時制に入りたての頃は、授業受けてても、こんなの中学校でやったよ、ということが多かったが、3年になった今、けっこうむずかしくなって、苦労している。今は生徒会の役員をしていて、全日制との交流をやりたいと思っている。先生ともタメ口をきいたりして、そのことがいいかどうかわからないけど、自分を受け入れてくれてるなと思う。4年は長いと思ったけど、今はすごく短い気がする。

 雪交じりの冷たい雨の降る日でしたが、暖かい雰囲気に包まれた会でした。最後に参加者の感想を紹介します。

 我が子を含めた不登校の子ども達とかかわり始めて7年になりますが、このような説明会に出たのは初めてです。お陰で今、現在の定時制をめぐる状況や各学校の特徴などがよくわかり、とても勉強になりました。5年前「あかね色の空を見たよ」の映画を自主上映したり、原作本を読む中で、定時制高校の魅力を知りました。今の学校ではすっかり薄らいでしまった「教育の原点」が、定時制にはまだ生きていると感じました。昨年9月に弁護士の金崎浩之氏や定時制関係者の話を聞いたとき、上記の思いを一層強く持ちました。オートメーションでない、「手作り」の良さを感じます。
人間と人間との暖かい交流や、きめの細かい対応など、決して全日にはひけをとらないと確信しています。在校生や保護者の方々の、飾らないナマのお話に胸を打たれました。どの方も「定時制」に対する自信と誇りがあふれ、さわやかな感動を覚えました。エリートを育てることのみ専念し、多数の落ちこぼれを生産して切り捨てていく現代の教育体制に警鐘を鳴らす意味で、定時制高校の皆様今後も頑張って下さい。
                 

 トップページに戻る