請願の要旨

 東京都知事ならびに東京都教育委員会に対して、品川区内の定時制高校を統廃合の対象とせず充実をはかるように、また万が一検討する場合にも、当該校の生徒・保護者・教職員・地域住民の意見を十分聞く機会をもち拙速には決めないように、意見書を提出されることを請願致します。

理由

 現在品川区内には、小山台高校(普通科)、大崎高校(普通科)、八潮高校(普通科)、鮫洲工業高校(機械科・電気科)の四校の定時制が設置されています。
 これらは、地域的なバランスも良く、生徒数も全都平均を上回っています。それぞれの定時制は、地域の人々の要求に応え、勤労青少年の学ぶ場として、また全日制になじめなかった生徒や中退者の再学習の場として、さらには心身にハンディキャップをもった生徒の成長の場として、多様な生徒に後期中等教育を保障する教育機関の役割を担ってきています。外国籍生徒や帰国生徒も少なくありません。特に最近は、小・中学校時代「いじめ」やその他の理由で「不登校・登校拒否」になった生徒が大変増えています。激しい競争や多人数になじめない生徒たちにとって、定時制は自分を取り戻し、自身と意欲を回復する機会になっています。
 また、夜間定時制高校は、昼間仕事に就くことを指導し、仕事と学校との両立を通して社会的・人間的成長を育んでいます。一時期「非行」等があっても、卒業時には立派な社会人として巣立っていっています。
 こうした生徒たちが、四年間定時制に通い続けるためには、学校が勤務先や家庭に近いことが大きな条件になっています。どの学校でも、生徒の通学時間は三〇分以内が圧倒的にです。統廃合により学校数を減少させることは、必然的に多くの青少年の学習の機会を奪うことになります。その点からも、品川区にある定時制高校はどこも不可欠の存在となっています。
 私たち、定時制高校の保護者・PTA・同窓生・教職員・地域の願いとして、定時制高校を必要とする生徒がいる限り、品川区内の定時制の存続を強く求めています。また、定時制高校が地元注が校をはじめ児童相談所等の教育機関と連携をとりながら親の要望に応えられるよう、一層充実されることを願っています。
 つきましては、東京都教育委員会がこうした実情を勘案することなく一方的に統廃合の対象とすることのないよう、すみやかに意見書を東京都知事ならびに東京都教育委員会に提出していただきますよう署名を添えて請願いたします。

                           1998年6月15日

品川区議会議長 大沢武夫殿

経過
06/15 区議会事務局へ請願書提出
06/26 区議会本会議での合同クラブ川西議員の一般質問
      項目 不登校児道・生徒対策と現定時制高校の役割について
      教育庁答弁 不登校・全日制不適応中退者が、定時制の少人数教育のなかで
               学んでいる事態が生じたことを認識している。
06/26 本会議で請願の文教委員会への付託
06/29 文教委員会での請願の審理 全会一致で採択
07/09 本会議で「定時制高校の存続に関する意見書」の議案が可決
07/09 区議会議長大沢武夫名で、東京都知事と東京都教育委員会委員長宛に「意見書」送付

(請願署名総数16732筆、無印の参考713筆)

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