品川区内の都立定時制高校存続を求める請願書


 現在、品川区内には、小山台高校(普通科)、大崎高校(普通科)、八潮高校(普通科)、鮫洲工業高校(総合技術科)の4校の定時制高校が設置されています。これらは地域的なバランスも良く、今年の5月1日現在の在籍生徒数は、小山台高校(170人)、大崎高校(162人)、八潮高校(186人)、鮫洲工業高校(90人)と、全都の平均を上回っています。

 今日、定時制高校は、昼間働きながら通う勤労青少年をはじめ、全日制高校を中退した生徒、小中学校時代に不登校であった生徒、心身にハンディキャップを負った生徒、外国人生徒、高齢の生徒など、さまざまな事情がある生徒の学習の場となり、自信と意欲を回復する機会となっています。このような、仕事を終えて授業ぎりぎりで駆けつける生徒や生活の諸事情を抱えながら通う生徒たちにとって、職場や住居の近くに学校があるということ、少人数で家庭的な雰囲気であることはたいへん重要なことです。

 私たちは、このような定時制高校を廃校にせず存続・充実を図る立場から、1993年・1998年に、品川区議会に対し、東京都知事と東京都教育委員会に意見書を出してくださるよう請願しました。幸いにして、区議会のご努力により、2回とも全会一致で採択され、1998年7月には、「定時制高校は、勤労青少年をはじめ、さまざまな生徒に対して就学機会を提供しています。こうした生徒達が4年間通い続けるためには、学校が勤務先や家庭に近いことが大きな条件であり、学校間の距離、交通状況などへの配慮は必要不可欠です。よって、品川区議会は、定時制教育の一層の充実を求めるとともに、今後、区内定時制高校の統合を検討する場合には、当該校の生徒・保護者・教職員・地域住民等の意見を十分聞く機会をもち、拙速には決定しないよう強く要望いたします。」という内容の「品川区内の都立定時制高校の存続に関する意見書」が出されています。

 ところが、東京都教育委員会は、1997年に「都立高校長期計画」に基づく「第一次実施計画」で、鮫洲工業高校を大田区につくる「大田区単位制工業高校」に統合することを決定しました。そしてまた、この6月27日には突然「都立高校改革・新配置計画(案)」で、八潮高校定時制を他の7校の定時制・通信制といっしょに一橋高校の敷地につくる「千代田地区昼夜間定時制」に統合することを提案しました。

 この「新配置計画(案)」通りになったら、品川区内の定時制は1学年8クラスから4クラスに激減してしまいます。その結果、定時制を希望しても入れない生徒が多数出る可能性があります。さらに京急沿線の八潮と鮫洲工業の定時制がなくなるため、地域的なバランスが極端に崩れてしまいます。八潮高校の生徒は品川区や大田区の京急沿線に住んでいます。そこから一橋高校へ通うのは、千葉県の松戸市や埼玉県の戸田市から通うのと同じ距離になり、通いやすいとはとても言えません。とくに品川区内の八潮団地地区からは通えなくなり、京急沿線の生徒にとっては、近くに通える学校がなくなります。前記の「意見書」の内容に反する提案となっています。また、八潮・鮫洲工業高校定時制は公開講座を開校するなど周辺地域にとっても重要な役割を果たしています。

 私たちは、定時制高校の保護者・PTA・同窓生・教職員・地域の願いとして、定時制高校を必要とする生徒がいる限り、品川区内の定時制の存続を強く求めています。また、定時制高校が地元中学校をはじめ児童相談所等の教育機関と連携をとりながら親の要望に応えられるよう、一層充実されることを願っています。

 東京都教育委員会は今回の提案にあたって、新たな実施計画の決定までに学校関係者・地元関係機関からの意見を聴取するという態度を表明しています。つきましては、東京都教育委員会がこうした実情を勘案することなく一方的に廃校とすることのないよう、すみやかに意見書を東京都知事ならびに東京都教育委員会に提出していただきますよう請願いたします。

一、品川区内の定時制高校を廃校としないこと。「都立高校改革・新配置計画(案)」を検討するに当たっては、  当該校の生徒・保護者・卒業生・教職員・地域住民の意見を十分聞く機会を持ち拙速には決めないこと。

2002年  月

                         都立小山台高等学校定時制を守る会
                         都立大崎高等学校定時制を守る会
                         都立八潮高等学校定時制を守る会
                         都立鮫洲工業高等学校定時制を守る会

東京都品川区議会議長 殿



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