都立定時制五校(上野・両国・墨田川・小岩・小松川)の
                    存続を求める都議会陳情署名


 東京都教育委員会は、六月二七日「都立高校改革・新配置計画案」として、全日制二五校、定時制三三校を対象とした統廃合計画を発表しました。その案によると、上野・両国・墨田川・小岩・小松川の五校の定時制と台東商業全日制・定時制を廃校にして、新たにつくられる台東地区昼夜間定時制(三部制)に統合するとしています。事前に対象校関係者にはなんら説明もなく一方的に発表し、十〇月には決定しようとしています。この計画が実施されますと、台東区・墨田区から普通科の夜間定時制は一校もなくなり、また総武線沿線の夜間定時制は一校しか残らなくなります。

 五校の定時制はいずれも数十年にわたる伝統ある定時制高校として、地元の期待に応えて多くの卒業生をこれまで送り出してきました。現在、夜間定時制高校には、勤労青少年や大規模な全日制に馴染めなかった生徒、中学時代不登校だった生徒、ハンディキャップを持った生徒、日本語に不慣れな外国籍生徒、就職後改めて勉強しようとする成人や年配の生徒など、きわめて多様な生徒が通ってきています。こうした多様な生徒の要求に応えられるのも、地元で近くにあって通えるということと小規模・少人数なため教職員が一人ひとりの生徒にあった指導が可能だからです。在籍している生徒の多くは昼間何らかの形で働いており、働きながら学ぶ場としての夜間定時制の役割は、依然として大きいと考えられます。

 さらに計画では、「将来的に全定併置の解消を目指す」として、全日制に併置されている既存の夜間定時制を今後すべて廃校にする方向を打ち出しています。全日制の教育活動を優先し、その「障害」になる夜間定時制を切り捨てるやり方は、弱い立場で様々な困難を抱えている生徒の学習する機会を奪うものであり、到底認めるわけにはいきません。

 私たちは、これからも地元の夜間定時制で学ぼうとする生徒の学習権を守るため、また学校関係者や地域住民の意見が真に反映した計画に見直されるよう、東京都議会に対し次の事項を陳情いたします。

〈陳情事項〉

一、都立定時制高校五校(上野・両国・墨田川・小岩・小松川)に関わる統廃合計画を撤回し、五校を存続させること。

一、「都立高校改革・新配置計画案」については、現場の教職員や保護者・生徒・卒業生・地域住民の意見を尊重し、一年以上時間をかけて話し合いを行う中で必要な見直しを進め、一方的には実施しないこと。


二〇〇二年七月

都立上野高校定時制を守る会
都立両国高校定時制を守る会
都立墨田川高校定時制を守る会
都立小岩高校定時制を守る会
都立小松川高校定時制を守る会

東京都議会 議長殿
                                       

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