都立上野高校定時制の存続を求める要請署名

 東京都教育委員会は、六月二十七日、第三次の「都立高校改革・新配置計画(案)」を発表しました。この提案によると、都立上野高校定時制は、小松川・両国・墨田川・小岩の各都立定時制と台東区にある都立台東商業全日制・定時制とともに、台東地区昼夜間定時制(三部制・三十二学級)に統合するとあります。

 都立上野高校定時制は、大震災直後の大正十三(一九二四)年、ここ東叡山の地に『第二東京市立中学校』として設立され、今年で創立七十八年を迎えています。卒業生は七千八百七十名の多きを数え、台東区内にあって都のみならず全国的レベルでも伝統ある定時制高校として、地元の声援に支えられ、また、交通の便もあって都区内・近県の青少年の学びの場としても、その役割を担ってまいりました。

 現在、勤労青少年や全日制に馴染めなかった生徒、小・中学校時代に不登校の経験を持った生徒、ハンディキャップを持つ生徒、就学の機会を逸したが勉学の志止み難く学びの場を求めた成人の生徒、日本語に不慣れな外国籍生徒など様々な生徒が通学しています。地の利・交通の便も手伝って、小規模で教職員と一人ひとり生徒とのふれあいを大事にする夜間定時制高校、とりわけ上野高校定時制は、今後もその役割を担っていくものと考えられます。

 この計画が実施されると、台東区内には従来型の定時制高校は一校も存在しなくなります。これでは地域は無論、都区内外の生徒の就学の機会が奪われていくという深刻な事態が予想されます。

 私たちは、地域の声、都区内外の青少年の「学びの場」を保障しない、生徒の実態に添わない東京都教育委員会の提案に反対し、東京都教育委員会に対し、次の事項を要請致します。

[要請事項]

一、都立上野高校に関する統廃合計画を撤回し、存続させること。

一、「都立高校改革・新配置計画(案)」については、現場の教職員や保護者・生徒・卒業生・地域住民の意見を尊重し、時間をかけて話し合い、一方的には実施しないこと。


平成十四(二〇〇二)年七月

都立上野高校定時制を守る会

東京都教育委員会
教育長 横山洋吉殿

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