守る会連絡会 第2回都教委要請報告

 9月9日に行われた第二回都教委要請の詳報です。テープをおこしてはいますが、聞き取れない箇所があったり、会報に掲載する紙数の都合等で、事務局で編集しています。

近藤:本日はお忙しい中、2回目の話し合いに参加して頂いてどうもありがとうございます。前回この場所でいろんな、各学校の父母の思いや意見や実情についてそれぞれ発言をさせていただきましたが、そういう発言を踏まえて新たに都教委としての考えとか、あるいは、この前の発言を踏まえてこういうふうに考えるとか、ぜひお聞かせ頂きたい。私たちはその後いろんな学校での話し合いを重ねて行く中で、やはり、いろんな意味で夜間定時制高校を必要とする子ども、そこにしか通えない子どもたちが沢山いると言うことを、改めて痛感しているところです。
 そういう点ではやはりどの子にも学ぶ機会をきっちと保障して欲しいというのが私たちの強い思いです。今日は忙しい中、あちこちから市民都民が父母が参加しております。是非もう一度、それぞれの思いや実情を聞いて頂いて是非今後の計画の中に活かして頂きたいというふうに思います。

司会:本日司会をやらさせて頂きます。よろしくお願いします。前回に続き前田課長と他の都の方に自己紹介をお願いします。

都:石原と申します。
  都立高校改革推進担当課長の藤森でございます。よろしくお願いします。

司会:それでは、まず小松川高校と富士高校の方から要請文を用意していると言うことですので、それを渡すとうことですので、まず、小松川高校の方から要請文をお渡し下さい。

小松川:私たち小松川高校定時制を守る会は6月27日発表以後、今回の統廃合による小松川高校の廃校を撤回し、さらに今回の新配置計画を進めるに当たっては、教職員、保護者、生徒、地域の住民の意見を聞いて、十分意見を聞いてそれを尊重し、そして時間をかけて話し合い一方的に進めないで欲しいということを要請するとともに、その事を広く都民に知らせ署名を集めました。ここに今、1792筆あります。第一次分として今日提出したいと思いますので、よろしくお願いします。

司会: 富士高校の方

富士: 要請文がありますので、とりあえず用件だけを申し上げます。JR中央線武蔵境駅から新宿駅までの沿線から都立夜間定時制高校普通科課程を全廃する統廃合計画案の見直しを求めます。要請事項だけ読み上げます。第一、都立高校改革推進計画「新配置計画」案の中にある荻窪高校定時制、新宿高校定時制、富士高校、杉並高校、武蔵高校、三鷹高校を募集停止にする計画の見直しを慎重に検討して下さい。第二、東京都教育委員会は各学校の関係者教職員、保護者、生徒、地域の声を誠実に具体的に聞き、現場の希望を出来る限り尊重し、必要があれば計画案の変更を含む見直しを行い、よりよい教育改革を行うことを求めます。2002年9月9日都立冨士高校定時制PTA会長西川昇、都立三鷹高校定時制PTA会長服部容子、都立武蔵高校定時制PTA会長石崎清子、都立杉並高校定時制PTA会長斉藤美恵子、都立新宿高校PTA会長伊藤之知、都立荻窪高校定時制PTA会長小島敬子以上の署名捺印をもちまして、要請させて頂きます。

司会:ただいま二校の要請ありましたが、それについてお話をお願いいたします。

都(前田):前回も私からお話しましたけれども、基本的に都教委としては6月の配置計画の発表というのは、配置計画という具体的な学校名を示して外に公表しております。その後いろいろなご意見があるということは承知しております。現在でも、個別の学校にいろいろな形で出向いて、PTAの方、同窓会の方、それから学校の教職員の方にもお話をしている。今日こういった形で、二校の方からご意見を頂きました。これは受け取りまして教育委員会を含めて、私の方、上の方にも伝えていきたいと思います。

司会:ではその要請文の事についての回答は、次回までに教育委員会でも相談して頂いて、話をしていきたいと思います。それでは、前回の要請の中で引き続き話されなくてはいけないことも沢山あるのですが、前回の話の続きで都教委の方から回答して頂きたいと思います。

都(前田):前回いろいろお話を伺って、その場で基本的にはお答えしたことが多いと思いますが、一点就学保障の問題をちょっと話したいと思います。今回の夜間定時制統廃合に関して、就学の機会を奪うのではないか、というようなお話なんですが、これは我々は、基本的に当然、全定併置校の解消を図るという事は事実ですけれども、解消を図る中でそれぞれ、(これは今いるお子さんという意味ではないです。)今いる定員ないし、通ってらっしゃる実態に応じて新しい昼夜間定時制高校の中で、受け入れる定員は確保していくという事を基本原則にしています。ですからその意味では、就学保障、教育の機会を奪うというようなことはあり得なくて、就学保障としては万全を期していくというのが都教委の立場です。これについては、就学計画というのがありまして、全日制が基本となるんですけれども、ここを活かして就学、進学を希望するお子さんに対しては、それは我々は毎年いろいろな形で私立学校との協議も含めてですね、詰めながら守っていこうという努力をしています。新しい実施計画自体、新しい改革推進計画自体がその意味では、就学保障を一つの基本的な考え方として計画を作っています。今回の夜間定時制高校の統廃合によって就学の機会が奪われるということは、無いようにしなくてはいけないし、我々はそういうことは無いというふうには考えています。基本的なお話をまずとりあえずさせて頂いて、あとそれに関連して個別のお話があればまた、意見を頂きたい。あとは個別のお話を聞く中で議論を深めていければと思います。

司会:では今前回の引き続きの話についての回答をして頂いたんですが、それを踏まええて、ご意見のある方、是非挙手でお願いいたします。

八潮: 学校は八潮高校定時制です。今日はどうもありがとうございます。先日、前田課長さんにお見え頂きまして、ご説明を頂きました。どうもありがとうございました。そういうことも踏まえまして、品川区の定時制高校守る会が先だって、地域で発足致しまして、また八潮高校定時制を守る会というものも六月の発表以降に発足致しまして、同窓会あげて署名運動を請願に向けて取り組んでおります。そいう運動を踏まえて、それからこの前の前田課長のご説明も前提にして改めて質問させて頂きたいと思います。いま、前田課長から実態に応じてというお言葉がありましたけれども、まさに八潮高校定時制に限らず、定時制の中でいま子どもたちの実態というところで言いますと、今度の新配置計画ですと、大きくその実態に乖離すると考えています。八潮定時制のことで申し上げますと、ついこの前、伊東課長に参加して頂いた説明会の中でも30分で通えるとあったのです。私は、八潮定時制の方から一橋の方の昼夜定時制に30分で通えるというのは、まさに机上の論理で実際にいま八潮高校定時制に通っている子どもたちは、大田区、品川区から通っている子どもたちが大半です。それは、この前の前田課長に説明会の時に申し上げた通りなんですが、とても子どもたちが働きながら学んでいる子、あるいは色々な事情で働くことのままならないまま、学校に通っている子どもにとってもですね、とても30分で通える距離ではない。何をもって、何を根拠に30分で通えるというふうに伊東課長はお答えになったのか、あるいは、前田課長も何をもってその実態に応じてと先ほどおっしゃいましたが、どういう実態に照らしてですね、30分で通えると回答されたのか、その辺をお聞きしたい。
 さらに、説明会の時に私ども二点の質問をさせて頂いて、今回の計画ですと京浜急行の沿線から定時制高校が一切なくなってしまうということになります。これは地域のバランスというふうに考えたときにも、京浜急行沿線から子どもたちが沢山通っている八潮高校定時制をつぶして、京浜急行沿線から定時制を無くしてしまって都心部の方にあえて移すという事についての合理的な理由を、はっきり今日はお聞きしたい。また、八潮高校定時制にとっても長い間歴史を積んで、子どもと先生方、保護者との信頼関係をも含めて子どもたちが安心して学べる場として八潮高校をつくってきたのを、それを壊してですね、人口が減ってきている都心部にあえて学校を統合してつくるという事については、地域のバランスということで、非常に矛盾があると思うんですね。これについて我々として十分に納得できる回答がされなかったように思います。以上通学距離の問題、30分という具体的に時間を出されておりますが、はたして子どもたちのどういう実態に基づいて、30分で通えるというふうに言い切られているのか、その辺をしっかりお答え願いたい。

富士: 富士高校も先ほど私に方から代表して出しましたJR沿線から全ての学校が廃校になると、荻窪に新しいのが出来るわけですが、そういうことではいまの意見とほとんど同じような状況がありますから、あわせて回答して頂きたい。

八潮: 同じく八潮高校の保護者です。この前の説明会ありがとうございました。でも、説明会終わりまして親たちは残ったのですが、やはり納得のいかない事が非常にありまして、私個人的にもお話ししたいことがありますので、あらためてお話ししますが、一つ盛んに八潮がだめになっても、大崎もある小山台もあるということが何回か出たと思うんですけれども、私の娘は不登校で5年近く学校に行っていなかったのですけれども、八潮高校を選ぶにあたって周辺の学校を見て回ったんですね。小山台、雪谷、大森それから八潮と見て回ってみました。やはり小山台は、うちは大森町なんですが、遠いということでやめにしました。等々で近いと言うことが非常に大切です、30分かからずにいける距離なんですね。今まで学校に5年間も通っていない娘が、1時間の小山台に通うのは、ちょっとやはり自分には無理だと言っているわけで、そこで、課長さんがおしゃった八潮高校がつぶれても他の地域に定時制はあるではないか、というお話ですと、一生懸命選んで、八潮高校を選んだ私としては、なにか馬鹿にされたと言ってはあれなんですが、心情的にはそんな思いが致しました。私も近いという点と校風が気にりまして八潮高校を選びました。
 入学させてからもきめ細やかな指導をして頂けますし、少人数ですし、それから外国人の方もいらしゃるんで、国際交流というのはちょっと変ですけれど、ベトナム方にベトナム語と日本語で会話を、日本語を教えてあげたりとかそういうような環境がすごく子どもに良いんですね。ですから八潮がだめだったら、他の学校へ行けというのはちょっと失礼な言い方ではなかったかなという印象を受けました。それが1点です。2点目なんですが、定時制に通っているからバイトをしているんだという言い方をされたような記憶があるのですが、うちの場合は、娘がですね喫茶店でバイトをしてるのですけれども、暇だからバイトをしているわけではなくて、大学の費用を稼ぐためにバイトをしているんですね。うちの経済的な事情だとちょっと大学の費用は出せないですね。娘が自分で働いてそれを貯めて今やっています。月金が休みなんですけれどバイトが、月曜と金曜は学校がありますから、一週間1日も休みも無くてバイトと学校をと働いています。説明の中に働いている生徒は少ないということが言われていましたが、娘の話ですと娘の友達でもバイトをしている子はほとんどいるような感じなんですね。ですから暇だからバイトをしているのではなくて、現実に大学の学費を出すために働いている子もいるわけですね。そういうこともお考えの中に入れて八潮高校をつぶすということはやめて頂きたいと思います。

八潮:同じく八潮の保護者です。夫婦で来ました。僕はもっと全体の話でしたいのですが、この間の広報東京都の9月1日付けと、ホームページから都立高校の新配置計画案について見た限りでは、非常に矛盾があるように思う。一つは既に指摘されました周辺の夜間定時制を統合するという、「周辺」て言うんですね。どこが周辺なんだと。それからもう一つはですね中等教育の複線化で都民ニーズに応えるという、都民のニーズというのは、それは前に出した定時制に関わる調査ありましたよね。13年でしたか17年でしたか、それに基づいてのことだと思うんですが、それの解釈に関しても、それは色々な考え方が出てきますから、その言葉一つでね片付けて、この推進計画の内容に直結させるというのは非常に無理がある。
 全定併置の弊害うんぬんということが、盛られていますけれどもそれについても、確かに一つの高校で昼間の生徒さんと夜の生徒さんがいれば時間的にぶつかるし、それで時間的制約もあると、ですけれどもそれならば、そこでの設備の充実だとか、それから別の公立高校、中学校とかの施設を利用するだとか、そういう形で地域地域にあわせた拡充こそを図るべきです。いまのような形の統廃合をやるというのは、本末転倒です。教育の機会を保障することにならない。新しくできる昼夜間高校での数のバランス、夜間定時制に対する定員の数のバランスが、あまりに不均衡すぎる。地域的バランスだけでなく人数的にも不均衡すぎる。
 それはあなた方がこれまで進めてきた失策の結果、都民や高校生や親たちがあきらめて出てきた現象を、現実を逆手にとって、こういう形でやっていく。例えば一番典型的なのが、給食の統合の問題です。給食の統合で八潮高校の生徒もいったん冷凍した物を食べてる。わざわざそこで作った物をいったん冷却してまた加熱している。他の高校とのバランスが取れない、論理は分かります。だけどもそういう、無駄なことを一方でやりながら、それで給食も利用率が減れば、まずいから減るから、最終的には給食なんていらないのではないかという論理に持ってく。僕にはそうとしか思えない。全て同じ論理なんですよ。こういうような考え方、僕には納得できない。ですから、基本的なところで、都民のニーズに応えるだとか、こちらにある地域とのパートナーシップ築くだとか、そういう言葉が入っていますけれども、それの現実というものが、どういう形でくみ上げられているのか、そこの所基本的な点できちんと押さえて上で先ほどのお三方の質問に答えて欲しい。

両国:今の方が仰ったのは98年の都民向けの白書の中にあったものだと思いますが、長期構想懇談会の座長談話でも、座長の要望として東京都の広報の中で、知事への提言という中で、都立高校の統廃合が提示されているが、予算面や生徒数の減少だけが取り上げられ、一番肝心な教育の充実という点が感じられないという言葉も入っているんです。この前も私申し上げましたけれども、改革の具体的実施にあたっては、様々な形を工夫して保護者、学校関係者地域の意見など幅広く聞く機会をもち関係者の理解のもとに展開するように努めることという一文が入っていますよね。座長談話ですね。その後に、東京弁護士会からの人権侵害救済申し立て、これもでましたね。

都:そういう事実があったということは、我々は捉えています。

両国:それで前に、一次か二次かの時か、私は記憶に残っていないのですが、もしこの計画が、長期の計画が失敗したときの責任はどなたがとって下さるのですかという質問が確か、出されています。それは一次、二次で参加している方の中でも覚えている方いらしゃると思うんですよ。改めて聞きますけれども最終的な、もしこの計画が失敗して現実に学校に通えない子たちが出てきた場合、誰が責任を取ってくださるのですか。そこが一番知りたいです私たち。そうしたらそこに働きかけを致します。最終責任者に。私は両国高校の保護者です。一橋の元保護者でもありますので、一次から参加していますので。

小松川:先ほど八潮の方がおしゃったようにいま、要するにこの統廃合が、定時制の人が働いているのが少ないというふうに、言ってらしゃいましたけど、新聞報道でも、中学卒業者予定者の求人倍数て0.14なんですよ。子供達はその中でアルバイトをしている。昔は子供が学校に通う時間に定時制に間に合うように返してくれていた。今は、学校に行くから帰るというとクビになるので遅刻したりしている。過酷な不況が子供達にもひびいている。そうした困難な状況の中にいる子供にとって、やはり近くにあることが必要だ。不登校の子供に関しては、家の子もそうですが、「あなたどうしてこの学校に行けた」と聞くと、ハードルが低いことと近いことが大きい。これがあるから心を病んだ子供達ももう一回やろうという気にもなる。

司会:この辺で1回したい。一つは30分の通学時間の問題、それと沿線から定時制がなくなる問題、他の学校があるだろうという発言問題や定時制にいっているからバイトをしている。周辺の統合だから都民ニーズにあっているということ、失敗した時の責任問題、それと新聞報道にもある正規雇用の減少についてお答え願いたい。

都(前田):私達の基本的立場は全定併置校の抱える色々な問題を解決し、定時制の教育条件を良くするために昼夜間定時制として独立校にすることであり、修学保証でいえば十分な定員の保証が可能だと考えている。定時制生徒が多様化してくる中で、多様なニーズに答えるために昼夜間定時制を考えている。これが前提でこのことは既に何回も申し上げてきた。八潮高校のことについては先週私も出向いてずいぶん長いお話をしてきた。今いる八潮高校の生徒が八潮を選んだ経緯は大切にしたいし、その意味で在校生を他に移すことは考えていない。八潮高校の教育について学年制でありながら3修制を導入するとか評価していることはお話しした通だが、それ以上に八潮高校全日制、定時制の課題は解決すべき問題だと考えている。この課題を解決するために千代田の独立校に持っていく。そこでどういう教育をするかというのは省略するが、単純な統廃合ではない。
 通学の問題は確かに数が減る中で通い辛くなる生徒が0であるとはいえない。通学時間の問題と教育条件改善を考えた時、東京の交通実態を考慮すると教育条件の改善の方がより重要な課題であるというのが都教委の考えだ。他に学校があるだろうということも現にいるお子さんを移すということは問題もあるが、そういうことは考えていない。新しい学校配置をした中で選択もしっかりできる。多少通学の問題が出たとしても私はその問題は解決できると考えている。
 雇用の問題ですが、今現在中学3年生で夜間定時制を希望している生徒は800人位です。そして正規雇用されている定時制生徒は7・8%しかいない。その分の夜間定時制の定員は残しますし、大きなニーズではない。アルバイトの問題は昼の子が夜にアルバイトするのと全く同じなんです。一般に今の高校生のアルバイトしている割合は高い。3割か4割になる。比率では夜の方が高いでしょうが、夜通学すれば昼アルバイトをする傾向が高くなるということを申し上げた。それについての価値判断をしている訳ではない。
 責任の問題はここで答えるかどうか。1次、2次を含めて今の制度では将来持たないだろうという視点でやっている。それに対し色々な批判や評価も出てくるだろうが、我々の責任で評価していくが、基本的には教育条件の改善を目指してやっていることだ。

司会:では、今教育委員会の回答があった点を含めてご意見がある方はお願いしたい。

Q.前に教育委員会が責任をとると聞いたが、その委員の方の責任だということか。
都(藤森):失敗したらというのがもう少し具体的にならないと、計画の執行段階の責任か、計画そのものの失敗かによっても違う。

Q.民間企業で起きている問題も、どこかが責任をとっている。将来、具体的に通えない子供がでた時に、誰が責任をとるのかという質問に、教育委員だと答えた。

都(前田):我々は修学の機会が確保できるようにこの計画を進めているから、そういう具体的な話は厳しい。

Q.そのことに懸念を持っているから質問している。

司会:そのことに今行えになれないのなら、次回に解答して頂きたい。

八潮:今いる子供は八潮に通えるということ、それから八潮の教育は評価しているという2点を話されたが、本当に八潮の教育を知っているのか疑問だ。本当に評価しているのなら残せばいい。八潮がだめなら他に行けばいいというのは失礼だ。

都(前田):今ある八潮高校の教育実践については一定の評価を教育委員会はしていると。
三修制の実施であり、それは全定併置だとどうしても受け入れる定員も少なくなるわけですよ。この議論を本気ですると時間が経ってしまうので、これ以上説明できませんが。いろんな利点があるんです。ただし、少なくとも全定併置という枠組みの中では、その教育実践を十全に活かしていくことが出来ないし、定員も十分に確保していいくことが出来ないので、それで、昼夜間独立校にしようと私たちの考えです。これがご理解頂けないとすれば私たち、またお話をいたします。その意味で、今いる子どもたち確かに閉校するということについての色々な思いもあるし、それは、感傷的な部分が残ると思うんです。が、ただ、閉校に向けて学校としていい加減な教育をして良いという事では無いですから、それは校長含めて、閉校に向けての教育活動はじっくりして頂く。それから、八潮が無くなればということでは無くて、八潮についてはそういう形で一橋高校という所に、その教育的な実践含めて教育の成果は受け継いでいきます。確かにいろんな通学上の問題が出たときに、一橋方向も小山台も大崎も雪谷もそういう多様な学校があるので、そういう学校について十分我々は教育の中身含めてPRして、これから定時制課程に通うというお子さんに対して、どの学校が自分に一番合った学校であるか、ということを理解して頂いて上で、選択して頂きましょうということを言ったまでです。私は、そういう表現の問題は非常にまずかったといことでお詫び申しあげたわけななんです。

司会:では、今手を挙げられている方。順番で、こうこうこうで最後近藤さんで

Q.:長男が池袋商業高校の定時制にお世話になり、次男が王子工業高校の定時制に通いました。長男は荒川商業の全日制に通って、その後池袋商業高校に自分の家から歩いて通えるという所でやっと自信を取り戻したという経緯があります。なんで、正規雇用、求人倍率パーセンテージが低いか、それ、非常に押さえられた作為的数字だということを何としても分かってもらいたい。今だって中国帰国の人やいろんな人、ともかく零細民間企業で働いていて、自分が時間だから帰りますというふうになかなか言える立場では無いです。78.9年頃の統廃合でも、「本当に夜学通う熱意があるのならちょっと位学校が遠くなったって、タクシーで通えばいいじゃないか」というようなことが、当時もそういうな事がいわれました。同僚の仲間の一緒に働く仲間の学校が大変である。これで一緒に仕事出来なくなるかもしれない。そういう思いで提灯デモに参加させていただきました。そういう時でも、本当に実態を知らないのかご自分の経済環境が我々とは全然違うから共感なんか寄せる余地が無いということなのか、熱意があるのならなんとか乗り切れるでしょう。夜学に来ると言うことはそういうことでは無いですか、そうゆうふうに言った人がいましたね。

富士:もう一度申し上げておきますが、10月半ばの決定というのは変更をしようという考えは、あなた方都教委のメンバーの中で話し合いが一度でも出ていますか。今日の段階で、どうですか。即答して下さい。

都:最初冒頭申し上げましたように、6月27日に計画案を発表した後色々ご意見を伺っていますので。そのことについては当然組織としても話をしています。ですから10月の決定変更の問題についても我々の中で話し、情報としてそういうご意見があるということは伺っています。

富士:ということは、情報としてご意見があるけれども、この10月の決定を延そうかとか、一応延すことを考えてみようじゃないかという意見は出てないということですか。

都:いまの段階では10月決定を延そうとは考えていません。

富士:変更したくないということですね。もう一つ、例えば来年大島がなくなるでしょ、あれ、15キロから20キロあるんですよ。タクシーで4000円か5000円位かかるだそうですよ。さっき交通的に行く気があったら云々という話も出ていましたけれども冨士高もそうですよ。今のことだけ言えばね看護婦さんなんかやっていて、ぎりぎりで駆けつけて来るわけです。1限目が間に合うかどうかという状況ですよ。そいうふうな具体的な事に対してね。交通的にはどうしたって犠牲者が出るのをしょうがないから、これはやむをえないだと、切ると、いうことと同じじゃないですか。どう思いますか。その部分だけでいい。

都:繰り返しになります。いま通われているお子さん、これは大島南の話です。

富士:だからいま通われている問題ではない。だって将来、こういう不況の中で同じような、いまの子どもよりもっと条件の最悪な子どもたちが出てくるという可能性はあると思いますか、無いと思いますか。逆に聞きますよ。

都:長期的なお話の中で言えば、夜間定時制高校というのは、その昭和40年代から比べて激変してですね。定員も減っているという実態があります。それが長期的な視点での我々の認識です。ただし確かに西川さんおしゃる意味での経済状況の変化がゼロとは言えない部分もありますから夜間定時制高校を我々全廃するとは全然言っていません。

富士:いや、僕は将来の世の中の状況がね悪くなると見れば、これは基本的問題なんです。今よりももっと悪くなって学校に行かれない子どもたちが増えるね、そういうふうに見るかどうかが大事な問題なんですよ。
都:繰り返しますけれども将来に向けて我々は一定の当然夜間課程は残し、そういったお子さんに対しての受け皿は十全に保障していくということは何ら変わっていません。

富士:中央沿線から無くなるわけでしょ。それで1校で間に合うというふうに考えるということですか。

都:数の話としては私たちは一定の枠はしっかり用意して、夜間に通わなくてはならないお子さんのための就学の機会を確保していくということは、引き続き努力していく。それはいまでもやっていますしこれからも変わらない。

小松川:中高一貫校に関しては、「これから様々な場面分野でリーダーとなりうる人材を育てる」、じゃあ昼夜間定時制の子どもどういう子を育てようとしているわけですか、教育内容を充実させるというのはありがたいですよ。ただ私はその教育内容を充実させるっていうことが一概に良いとは思いません。現在定時制高校は本当に、そんなにいい環境ではないと思います。でもそんなことを上回るような良い面があるわけですよね。
 昼夜間三部制で、良い環境を与えて、都教委が描く子ども像ていうのは、どうゆう子なのかがまず、第1点。それから定時制を望む人が中学3年生が800人ですか、今ここに私は、その2002年5月1日生徒在籍数調査結果を見ますと、たまに減っているのもあるけど、あと横ばい、もしくはおおかたは、増えてますよ1年生の在籍数が、それが実際の人数も増えてるし募集人員に対しての充足率も増えてます。現実には定時制高校を求めて来ている人たち、それは全日をはじかれて、特に、障害者は全日に入学する機会を奪われている。教育の機会をみんな養護学校に行けみたいな形で奪われている。そういう中で子たちが定時制に希望をつないで来ていたりしている。800人と言っても、現実に今年の1年生の入学者数は変わっていない。そして定員オーバーしている学校もある。そういう現実があります。そういうことをどう見るか。
 教育庁学務部が出している定時制高校検討委員会の中で、定時制はようするに集団生活を通して得られる教育効果が不足しているて言う。それでこれを子どもと見て話しました。子どもはまず言いました。集団生活て言っても同じ年位の子どもが集まって何の効果があるのか、やっぱり定時制は、年齢の幅があって、自分の親以外の大人もいますし、近所のおばちゃんもいます。そういう学校生活で毎日そういう人と出会うことによって得ることの教育的効果の方が多いと思います。
 一番基本の教育の中で不足しているのは、生きる力の教育だと思うんです。それを今回の中で、教育を変えるとかいわれて、総合学習で地域の民間人入れたりとかしてますけれども、定時制には高齢者を含めた多様な方、在日の方、障害者、それから経済的に厳しい方、そういう方々が通学している。確か前回97年の時に在校生が、要請の場で生徒が社会に一番近い学校と言ったそうです。私はその言葉聞いたときに、定時制を一番みごとに表しているという言葉だなと思いました。そういう意味で定時制の教育をどう評価しているのか。八潮の立派な教育をしてますよとかいうものも含めて、全体の評価を知りたい。
 いま本当に定時制には障害者を含めてすごくバリアフリーで、子どもたちは勉強している。そういう意味では、先進的な学校だと私は思います。そういう多様な生徒、
学級幅のある人たちを、どうやって昼間定時制で教育をしていくのかその事も具体的に出して頂きたいと思います。

都:今おしゃったことは、我々が今回いろいろ計画検討する中での問題意識とかなり重なっています。基本的評価の問題も含めてどういう考えで作ったかと最初に申し上げたつもりなんですが、まだ十分にご理解頂いていないということです。

Q:簡単に言います。一つは全定併置の事で委員会報告出ているんですけれども、もともと報告から全定併置が問題であると、でなんで昼夜間定時制高校に移るということになるのは、定時制の方で全日制の方は移動しないのかというのが、私の疑問です。なんか定時制だけまとめられて、邪魔だから定時制は出て行けという感覚を持ちますよね。その事に関してはどうしても辛いですね。その昼夜間定時制高校はまだはっきりしていない段階で、三部制をやる一応書いてあります。そうすると、そこで定時制どうし、やっぱり併置があるわけですから、そこは矛盾しているのをさらに矛盾を拡大させるのかというように私は思うんですね。報告書の中に先ほどから問題になっている昼間働いていない。昼間働いていないから昼間行けるだろうだから、6校まとめて昼夜間定時制三部制にしたら、夜間は2クラス位でも大丈夫だろうていう計算を成り立たせているのですけれども、昼間行けないから夜行くという子どもたちが多いわけですよね定時制は。だから定時制で夜間に行かせているのになんで2クラスになって昼間行けるのだろうと、働いてなかったら行けるというのは違うだろうと、やっぱり必死になってやっとの思いで行っている子どもたちの事考えて、夜間しか行けない子どもたちのこと考えたら、あのクラス数はあまりにひどいじゃないかと思うんですね。むしろパイロット的にやる、これでうまくいったみなさん頑張りましょうと言うのなら分かるけど、それはもうチャレンジ校でしかないわけだから、チャレンジ校を引き合いに出して、夜間定時制を論じること自体が話が全然違うと思っているんです。
都:いまの点は昼間定時制の評価の問題と我々の考え方に対する、特に全定併置の問題が解消できないだろうというお話ですから、これも次回ちょっとお答えさせて頂けると。

上野:上野高校卒業のです。私は全日制の成績を重視するギスギスした感じに馴染めず辞めました。その後単位制の山吹高校に合格したのですが、全日の高校と同じような雰囲気を感じ辞退し上野高校に行きました。上野高校は通うのにすごく便利で、台東区、荒川区、足立区など色々な区から来ている子たちが沢山いました。ほとんどの子が、働きながら通うので、交通の便が良いというのは、本当に助かることです。定時制の数が減り通いにくい場所に定時制が移ってしまったら、生徒数がどんどん減ってしまうのではないでしょうか。上野高校は生徒数がいま、150名位いて落ち着いています。その中には、ハンディキャップを持った人や帰国子女、年上の人たちなどいろんな人たちと友達になることができます。世間では私みたいに全日の高校を途中であきらめてしまった子や大人になってから高校へ行こうと思い入学する人たちが大勢います。そういう人たちが再出発できる場所が定時制なので、定時制を減らさないで下さい。私は上野高校が大好きで今でも文化祭には必ず顔を出します。この温かい上野高校定時制を残して下さい。お願いします。

両国:私、両国高校定時制卒業したものです。卒業生の間で、両国高校定時制が無くなっちゃうてしまうという問題、それから、全都的に統廃合計画が進められている話を手紙を出したり、電話をしたりして、知らせているんですけれども、驚くほどそれはとんでもない計画だと一致した答えが返ってきました。びっくりするほど、カンパを寄せてくれたり署名を寄せてくれたり、これはどれだけ、定時制というものが、私卒業したのは50年前ですから、時代が違うと言われそうですけれども、かけがえのない存在であったと言うことが、みんなの共通の認識としてあり、それを残して欲しいというのが強い希望としてあります。そして私がこの計画を聞いてびっくりしたのは6月27日に発表して10月に決定するという、たった4ヶ月で都民の声を幅広く聞くなんてことが出来るでしょうか。これは私は不可能だと思います。それから、全日制と定時制の併置の弊害と言う言葉が、私いろいろ読ましてもらったんですけれども、都教育委員会のですね文書にですね何回も出てくることを発見したんですが、いろんな方の意見を聞いたりしてみますとようするに定時制は邪魔だから出て行けというふうにしか私は読めないんですね。現場のいまの教頭先生や校長先生の話を聞く機会がありましたので、弊害があるかもしれないけどそれは、転じて教育的なすばらしい機会になりうる、つまり全日制の生徒には定時制に通ってくる子どもたちがいるんだと、定時制について話し合うことがすばらしい教育につながっていく、そういうことで話し合いで解決できうる問題である、こういう事を言っていました。
 全体的に数が減ってきて、小さくなっていくことはよく分かります。しかし、大規模な学校をつくってそこへまとめれば、これが教育の改善になるというのはこれはあくまでも机上のプランであるというふうに思います。少人数であるということによって、すばらしい教育が生まれてきているのは、いままでの定時制ですね。その良さを残すということ、そのためには、本当に夜通ってまた家に帰るわけですから、この通う困難ということをですね。働いて定時制に、働けない人もいっぱい出ているようですけれども、生徒たちの心にたって、生徒たちはどう考えるだろうか、不便になるだろうか、勉強しやすくなるだろうか、その観点からの計画では無いというふうに私は、先ほどからの話を聞いていても感じます。ですから、都教委がこう決めたんだから、10月には決めるんだ、あとは、懸念があれば個別にお話ししますと言いますけれども、個別の問題ではありません。全体的にこれは問題があるのだ、ということが一人一人の発言からきちんと感じ取って欲しいと思います。
 大規模学校になって、全定併置を解消して十分な定員を確保するということをおしゃいましたが、十分な定員を確保するというのは、学校経営者の観点ですね。生徒大勢集めてそこできちんとした教育をやるんだと、そういうふうに数を集めれば良いという問題では、この定時制の問題は解決しません。その事をきちんと考えた上で、根本的な気持ちを分からなければ、教育委員会の教育行政のあり方として、私は失格だと思います。その根本は何を訴えようとしているのか、そこをぜひ考えて欲しいんです。それから教育委員の方もですね、下からこういう意見があって、課長さんからこういう意見を聞きましたということではなくて、是非都民の直接の声を聞くような場をですねつくってほしいと教育委員の方に伝えて頂きたいと思います。

近藤:今日はいろんな角度から話が出たと思いますが、是非ですね、今日出されたいくつかの問題について、近いうちにですねもう一度こういう話し合いを設けて都民の声を聞いて頂きたいと思います。それで、10月決定の延期をお願いしたい。はじめに結論ありきということでは無くて、十分に問題が解決された段階で、決定という方向が当然あるべき姿だと思いますので、決定の時期を含めて、是非話し合いを今後も継続して頂きたいというふうに思います。やっぱり夜間定時制であるからこそ、通える子どもたちが沢山いるし、その激変しているという前田課長のお話はありましたけれど、実際にはこの少子化の中でも定時制高校に入学する子どもは増えているという実態について、どういうふうにお考えになっているのだろうかと思います。いろんな困難を抱える子どもたち、いろんな、多様なニーズに応えるということであれば、教育条件を多様化するということでも、教育の中身の充実で多様化に応えて頂きたいというふうに私は思います。どの子にも特に今、夜間定時制高校を必要とする子どもたちの教育の機会を奪わないで頂きたいということをお願いして話し合い終わりたいと思います。

都:今日の話は、組織として対応させてもらいます。それからお話し合いの機会はまた、設定させて頂きますが、少し論点を絞って、そちらの方も沢山こられて、沢山の思いでいらしゃるそれは分かりますが、我々も我々として責任ある立場で一つ一つちゃんと答えなくてはいけないと思っていますので、少し論点整理して頂いて、その上でまた、話し合いの場をつくって頂ければ。それから個別に学校については、私は基本的には、現場責任者である学校長を踏まえてお話をするのが、より理解を深めるために必要だと思っていますので、現場で話を聞いて欲しいということがあれば、是非学校長を通じて言って頂ければ私はお話に伺いますので、どうかよろしくお願いします。

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