守る会連絡会 第3回都教委要請報告

 はじめに各守る会の要請署名が渡され、続いて、「定時制を守る生徒の会」の代表生徒に会わなかったことに抗議が代表から行われました。これに関連したやり取りから要請が始まりました。以下は一応テープをおこしたものですが、聞き取れない部分や紙数の関係で一部省略したところなどがあり、完全な再現ではありません。

<前略>
都: 都教委としては責任がある立場で、教育条件の改善のために努めています。それについて沢山の意見があることは承知しています。それは賛成するのもあるし反対する意見もある。だけれども、大きな流れとしては我々は支持されていると思ていますし、現実に先日の文教委員会でかなりの議論しましたが、その中ではおおむね支持されていると思っています。ただ、話し合いについては個別の学校でその学校が無くなるということについては、私個人としてもそういう強い思いがあるということは理解できます。大きな枠の問題として都教委は定時制高校の改善を図っていくということは、ぜひ理解していただきたいという思いでお話をしています。決して話しを聞かないということを申し上げてはいません。

都: <生徒の会の現役生徒の話を聞かなかったことに対し>直接の声を誰が聞くかということです。私個人か都教委として聞くのか、学校長は責任ある教育機関の長でありますから、その学校長が当然対応する。我々は組織ですから、1万2千人の声を私個人が担当者として聞くことは物理的に出来ない。学校の現場の問題に付きましては、学校長が高校の場合責任もって対応してきた。その立場でしっかり教育的配慮が必要だ。私は校長を通して子どもの声は聞いているわけです。今いるお子さんについては、一つ大島南分教所の話しがありますがその例外は別として、原則的には、今通っている生徒さんに対しては関係ないと言うかいまいるその学校でしっかり卒業してもらいますよということを言っているのです。
 それを関係ないとかそういったことをしたということは、全くの誤解であると思うんですね。我々は、基本的に子ども達がちゃんと卒業できるような配慮した上で計画をしています。それを関係ないという言われ方するのは残念です。ちゃんとその学校で卒業していただきますと言っているわけですから。

Q:あなた方の問題では無いですよという意味でおしゃられたとそういうふうに我々は受け取ったことは残念だと仰るのですか。

都:少し長くなりますけれども、改革推進計画自体は平成9年に、この計画についての懇談会を持ちまして、その中で20名以上の方に参加を頂いて22回の懇談会で議論をしています。この議論の中には、PTAの連合会の会長さんもいらしゃるし、PTA協議会の会長さんもいらしゃる主婦の方もいらしゃれば、いわゆる職員団体の方もいらしゃる。そういう方の声を聞きながら、もちろん学校関係者も沢山いるわけですが、こういう計画をつくり懇談会の答申を出した。それに基づいてこの新計画はつくられている。その場合に大枠の考え方については広く意見を求め、その合意形成に努めてきている。その中で夜間定時制については勤労青少年を受け入れる教育機関としての役割が歴史的な大きな流れの中で変わってきて、当時5万人の勤労青少年がいたのが、現在は1万人を割る数字ですけれどもね。かなり変わってその中で特に不登校の子どもなどが沢山来ているような教育の場となってきている実態があります。それに対して彼らは必ずしも夜に学校に行かせる必然性はないだろう、昼間でも十分受け入れられることはできるだろうという流れの中で、ぜひ、昼夜間定時制の独立校をつくって行きましょうという方針を確認しています。その確認の中で、昼夜間定時制高校を設置するにあたっては、周辺の夜間定時制課程については統合して進めていくという大きな方向については、すでに平成9年の9月の段階で都教委としてははっきり外に出しています。平成9年の場合はチャレンジだけではないです。チャレンジもあるし多摩単位制の話もしています。平成12年の2次計画もその流れに沿って計画をつくっています。少なくても昼夜間定時制の設置については議論はそういう形で深めてきている。新たな定時制高校ということがあったので、それもお話ししますが、そういう流れの中で都民意識調査などをしてきているわけですが、新しい実施計画作成にあたっては定時制高校の検討委員会の報告書というものが、これは平成14年5月につくっています。この中で確かに校長先生や教頭先生が中心ですが、これはもう、恐らく意見が合わないだろうと思うんです。校長先生、教頭先生では現場の声が上がらないと皆さんそうおしゃるのであれば、我々はそうではありませんよと答えるしか無いんです。あくまでも現場を預かる責任ある立場の校長先生を通じて判断するというのは僕たちは当然のことです。そこら辺の意見が違うことは議論してもしょうがないことです。それでこの定時制検討委員会の報告書をまとめ、この中で夜間に通ている生徒の教育条件の改善を図るために、昼夜間定時制高校の設置が必要だという方向性は出しています。そういう方向性を出して、今回新たに昼夜定時制高校の整備拡充に少し踏み込んだのです。ただし、従前からチャレンジ含めて7校の計画、今回の新しい計画では長期計画を含めて4校、全部で11校という方向を出したのですから、この間長い議論の中では昼夜間定時制の独立校の設置という部分についての合意形成が図られていると思います。これは都議会については再三再四議論はしています。我々は一つの皆さんは個別の団体のご意見だと考えています。多くの都民の意見としては議会という立場が民主主義として確立されている分けですから、その中でしっかり聞いて頂く。その中では大きな枠としてはこれは完全に開かれているし、特に昼夜定時制の独立校の整備については必要であるという方向性については大きな議論があります。それからもう一つ、いままで私は申し上げて来ませんでしたが、定通P連という皆さんの個別のPTAの連合体がある。そこで私は6月22日の日にこの報告書が出る前ですけれども、説明に行きまして基本的に大きな枠組みについては、お話しました。そこで色々ご意見も頂きました。少なくても定時制のPTA連合会の会長さんからは、基本的この方向については支持したいということははっきり私は伺ってます。それは一部の意見であると言うのであればそれはやむを得ない議論だと思います。ただ我々としてみればPTAの連合組織の会長さんないしは、総会での話を踏まえた方向性ですから、かなりの部分の賛同を得られていると理解はしています。皆さんの仰っているのは恐らく個別の話についてどうかということでしょう。都教委としては一貫していることです。
 勿論、皆さんの色々な強い思いというのは理解していますけれども、統廃合というのは痛みを伴うことですから、積極的に賛成される方とか、やはりこれは厳しいのだと。その意味で大きな考え方を基に個別の学校については常に、1次、2次、3次を通してですけれど、6月末ないし7月の段階で案を出してその後3ヶ月程度、個別の学校の方の意見を聞いて10月に意志決定していく、これはあくまで個別の話をお聞きしているわけですね。大きな枠、大きな考えがあってそれは合意を得た上でなおかつ、個別の話についてもお聞をきしようと、それは当然賛成反対がある事はやむを得ないことです。我々としては3ヶ月が長いか短いかは別として、意志決定については10月にしていきたい。3ヶ月全然意見を聞いていないと仰られたので、他の形でも意見を聞いています。流れとしては私たちは意見を聞いています。これは行政の判断だという事です。統廃合を進めていくというのは行政の大きな判断です。

Q:もっと話を聞くべきです。

都:6月22日に提示して、全学校長に対しては同窓会、PTA組織にはしっかり説明して下さいと言っています。その後の情報連絡の問題があったとすれば、これは大変残念な事です。少なくとも校長は、その場ですぐに全員集めて説明会が出来ないのであれば、連絡網を通して適切に話はしているはずです。
 まず生徒の通学保障ですけれども、定時制希望者は少なくて全日制を希望しているけれど、ではなぜ全日制を減らして昼夜間定時制にするのかということですが、全日制の枠については今回の計画を通して減らすことはありません。受け入れ枠については従前と全く同じように確保していきます。学校数の問題というのは、微妙な問題がありまして、子供の減少に応じていつでも学級数によって調整していますから、トータルとして全日制を希望する方の受け入れ枠は全く変わらず確保していきます。
 それでもなんで定時制にこなければいけない子が居るのかということが、確かに大きな問題だとして我々も思っています。実はこれには二つの側面があります。一つは東京都の場合は公立と私立でだいたい6対4で子どもの受け入れ枠を分担しています。東京都の公立学校については、ほぼ100%の受け入れ枠を守っています。私学の方がなかなか、彼らは建学の精神とか、他県から受け入れたりしますので、100%の受け入れ枠が使い切れない問題、その意味で若干子ども達が残念ながら夜間定時制の方に数として流れているという実態があります。我々はこれについて私学との話し合いの中でしっかり受け入れるように再三再四言っていますし、私立もそれなりに努力はしている。都立側としても実は受け入れ枠を越す形で子どもの受け入れをしています。そういう構造上の問題があります。それに対して昼間通えるという実態があるでしょうから、昼夜間定時制高校という全日制課程の枠とは別の枠を作って受け入れをしていくというのが考え方です。
もう一つは全日制課程は新卒を対象として、99%がいわゆる新卒を受け入れています。夜間定時制はかなり過年度の生徒が来ている。これも我々は、そういう子ども達については昼夜間定時制のほうがいろんな意味で入りやすい、単位制という問題もありますし、時間帯も勘案している。そういう意味であえて全日制とは別枠で昼夜間定時制にしたいというふうに思っています。
 桐ヶ丘にしても世田谷泉にしても2割か1割のお子さんはいわゆる過年度です。我々はそういう子どもを多く受け入れるためにあえて昼夜間定時制高校にした。
 夜間定時制に通学している生徒が昼夜間定時制に通学できるのかという問題ですが、これは我々就学計画の最大の問題と考えていますから、今回昼夜間定時制と切り替えますが充分な枠を用意をしていきます。
 それから通学保障の問題は色々な議論が皆さんから出されていますけれども、基本的に数が減るという意見です。私たちは現在定時制に通っているお子さんにここの学校に来て下さいということではありません。今後どういう子どもたちが学校を選ぶのかということについては、新しい学校について十分議論する中で一番通いやすい学校を選んでいくと。
 私はあえて通学保障と言ったかと言いますと、個別の学校ごとにいろんな事例があるということなんですが、確かにすぐそばの学校、隣に住んでいた子にとって通学上の負担を強いるということがないとまでは私は申し上げられませんが、ただし全体の枠の中では夜間に通わなくてならない事情のある方について、しっかり夜間の部を残して行かなくてはならないし、そういう意味では教育条件の改善になると私は考えています。
 それから多様なニーズに対応した学校。夜間定時制高校はもともと勤労青少年のための受け皿となる学校であって、それが長い歴史的経過の中で不登校傾向の子ども達の学校になってきた。そこで良い教育実践が行われて来ている事について僕らは否定はしていません。くどいですけれども、そういう子ども達が夜にいる必然性はもうないだろうと、特に桐ヶ丘ですとか世田谷泉、個別の学校で「私は桐ヶ丘に入れなかったからこの学校へ来ている」と時々聞くんですが、本当は昼間に行きたいというお子さんには桐ヶ丘や世田谷泉のような3部制の学校をつくっていくということを申し上げています。学校の有り様についてもチャレンジスクールだけではなく、チャレンジの場合はどうしても登校拒否の子、不登校のお子さんもしっかり受け入れるけれども、大学進学をしたい子の受け皿もつくる、そういう多様な幅のある昼夜間定時制をしっかりつくっていくというのが都教委の考え方です。

Q:新小岩、小岩の駅まで徒歩で15分かかります。JRを使っての通学は無理なんです。チャレンジなり昼夜間、特に台東地区の昼夜間に行くのには、家の場合ですと平井の駅まで15分です。そこから電車に乗って39分。合わせて54分、つまり1時間近くかかってしまい当然行くのが無理です。葛西南や江戸川があるではないかと仰いますが、小岩地区の小松川、小岩から行きますと極めて遠くて不便だということは分かっていますか。先ほどもありましたが、「近いから通える」これが根本的なことです。子ども達は近いから、仕事を終えてからでも間に合うと、だから今行っている高校を選んだのであって、実態として通学できなく可能性が大きくなります。一番言いたいのは近いから通える。現に通っている生徒については問題ないと仰いますが、これから通いたい生徒も一杯居るわけです。多様なニーズに応えるためには多様なニーズに合った学校が近くにあるべきだと思います。
都:統廃合統廃合と仰るんですが、枠の話についてはしっかり用意します。誤解して、誤解というか我々の説明不足の方が大きいのかしれませんが、チャレンジスクールというのは不登校のお子さんをどうやって、より良く受け止めて行こうかという為につくった学校です。皆さんは反対する立場でしょうから、なかなか難しいんですが桐ヶ丘は初年度7倍の倍率を出しています。それだけの子どもたちがあそこに希望を出している。うち子どもは桐ヶ丘に行けなかったんだからどうするんだと言われたんです。私はそれはそうでは無いのです。つぶすんじゃなくて、その学校に変わって新しい枠をつくって、より良いチャレンジスクールという不登校のお子さんの為の正に基礎基本からしっかりやり直す。もしかしてもう少し学力が付けば、もうちょっと違う教科、科目も出来る。夜間定時制の小さな世界の中では、勿論いい教育が出来てる反面例えば理科とか社会みたいに科目教科がどうしても専門性があることは先生が対応できないと思うんですね。高校教育というのは小中と違いますから。
 小学校では全科、中学ではもう少し専門性が、高校では高校教育としての使命がありますから、そういう中で対応できる教員の配置が必要です。チャレンジスクールはある程度の箱が必要だということと、全定が分かれているとどうしても全日制中心の学校になってしまいます。全日制が7クラス、8クラスと圧倒的に数が多い訳ですから。それに対して新しい定時制高校は全部同じ定時制で夜に行っても昼に行っても、入る時には少し試験がありますが、自由に行き来が出来ます。いつでも図書館とか体育館が使えます。チャレンジが特に力を入れているのは、相談業務と言って心理的に色々ハンディキャップを持つお子さんに細かい教育相談が必要だということで、専属の先生を置いて心のケアもしているし、選任のカウンセラーも置いています。そういうことをする為の学校として敢えて昼夜間定時制というものを創っているのです。夜間定時制は勤労青少年の為の学校と歴史的経過があったのですが、ずーとくる中で子ども達の形が変わってきている。ところがその子ども達に変わった教育システムに成っていなかったということについては我々は大いに反省すべきだと思います。そうしたことに応じる為に敢えてチャレンジスクールという昼夜間定時制高校を創って、平成3年に出来た新宿山吹高校もある程度そういう政策的意図はあったんですが、ちょっとその学力の高い子が来ちゃたんでなかなか上手く行かなかったところもあるんですが、それで今回、ニーズは間違いなくあるし、今夜間に通っている方はそういう方が多いとこれはもう、諸々の数字で我々なりに把握していますから。教育条件改善をしていく為に昼夜間定時制が一番ベストの道だということで、敢えてこれだけの整備拡充を図っているということです。ですから決して皆さん方が縷々言われているような、いろんな意味で苦労しているお子さんのことを切り捨てるとか、受け皿を用意しないとかいうことではなくて、もっと良い教育条件をつくる必要があるという事でやっています。通学問題では確かに数が減るという意味では多少のご不便はかけることがあると思いますが、我々も東京都だけ見ている訳ではありません。全国的なレベルでの色々な夜間定時制の状況を見る中で勤労青少年でなくて特に不登校経験のお子さん対してこれだけの受け皿をつくっていくことが、まだ足りないと我々は批判は受けるべきだと思いますが、ただそれよりもより良い教育条件が必要だとその為の我々の判断です。これははっきり申し上げておきます。

Q:チャレンジは数が少なく倍率非常に大きい。

都:だから倍率を下げたい。

Q:だからそれなら定時制を減らすのではなくて、チャレンジスクールの数を増やして、いまの夜間定時制にいるうちの息子のような不登校の子どもが、7倍なんていう倍率にはとても受けるのは無理です。せめて都立の全日制程度の倍率にするためにチャレンジスクールがあって、それから定時制を。数が少なくなれば自転車で通うことが出来ない、歩けない、結局、電車バスを利用しなくてはならなくなると、電車やバスに恐怖心を持つ子どもは通えなくなります。不登校の子どもはただ学校へ行けないということだけでは無くて、人間不信というか人混みが嫌だとか、すごく教育委員会の人から見れば、そんなのは一握りと言うんだけど、不登校経験している子どもは親から見ても、何でというような行動を起こすんですよ。だけどその子たちも学びたい、小さな所で自分が信頼出来るような集団の中だと、人間性も取り戻すし自信も持っていけている。それが小さな夜の学校という所で、4年間過ごしながら人間性を取り戻していく姿というのは、親から見て、入学当時は学校に行ってくれても表情が暗かったのが、1年弱通っているうちに本当に顔が元気になってきている。それで2年目位なると友達とつき合うようになってくるそういう姿が本当にドラマみたいなんですけれども、学校に行かなかった子ども達が本当に元気を回復していく場であることが本当に不登校経験の子には多いんです。数があるから、遠くなると行けないということをぜひ理解して頂きたい。5,6校が一つになることは大変な事ですので、是非一緒に考えていって下さい。

Q:関連なんで、両国高校定時制のOBです。いまのお母さんの仰った事が、この間論議されていることの一番の焦点だと思います。前田さんの仰っている昼夜間定時制高校の役割は一定の社会的意義があると思います。それは倍率が多いという事で示されている。ただ、この間10年間くらいの夜間定時制が果たしてきた役割はその前の定時制とまた少しずつ違ってきています。一種の夜間定時制文化というのでしょうか、そういうものを創り出してきたと思うんです。先日も藤森さんが両国に説明しにきて頂いた時に、遠いところだと子ども達にとっては精神的敷居が高くなるという話をしたんですが、その時藤森さんは「ちょっと分かりません」とお話しされたんですが、ここがポイントだなと思いました。子ども達にとって身近で、近くて20分程度で通えて、しかも両国は駅から5分ですから、あるお母さんは、先生には悪いが両国高校の教育がどうなっているかというよりも、子どもが夜安心して帰ってこれるということがまた、行く時に気楽に行けるということが一番の学校選択の理由ですと仰った。そういう子ども達が今夜間定時制には非常に多くなってきている。それは不登校の子どももいるし、非行経験者もいますし、昼間から追い出されちゃった、帰国子女もいるし外国籍の生徒も高齢者の方もいますし様々な人たちが夜間定時制には通ってきています。精神的バリアを持っていて、近くでアットホームである意味では学校らしくなくて、友達とも先生とも顔がつながっているそういう雰囲気の中で学校へ行ける。その中で何年間か通って社会復帰の力をつけていくわけです。昼夜間高校の役割は分かるが大きな学校で、学校らしい学校にどうしてもなります。桐ヶ丘のことを仰ろうとしているのは分かりますが、一定評価はしますが、いま夜間定時制高校に通っている生徒達がいきなりつながるかというとどちらの生徒も居るでしょう。勤労青年では無いと言われても夜間定時制に来ている半数以上がバイトだと言われるかもしれないけれど、自分のリズムを作って昼間に働いています。このリズムを壊したくないから両国高校で行った調査だと58%の生徒がやはりこのリズムで高校は生活したいと、これを崩したくないと答えています。40%位は昼に行ければ行くと言っています。そういう状況がいまあるのです。ですからこれをいきなり昼夜間が良いはずだと、働いていないから昼間に行けるのだと言うことだけで押し切ろうとするとこれには無理があります。先ほどの方も仰った様に両方をある期間は併存すべきです。昼夜間の方が生徒へ行く子が多くなるかも知れません。しかし、夜間の定時制残る子どもいるかもしれない。今回の計画で平成18年度に新しいものがつくるられたら直ぐに募集停止にするのではなくて、5年間位は併存させて下さい。そうすると選びます。これこそ都民が選びます。子どもが選びます。中学の先生も高校の教師も色んな工夫をしながらやっぱりこちの方が本流だったんだなと、その時都民が納得すると思うんです。その時夜間定時制が減っていくのであればそれは時代の流れでしょう。そうではなく逆になるかもしれない。その可能性はあるんです。お役人の方の努力は認めますが、一生懸命考えているのだと思います。しかし、これは都民的に議論してもらうと必ずしも最上では無いという意見も出てきます。それを研究協議的に議論する場は一切無いですよ。長期懇も、あれは懇談会ですよね。私も傍聴に入っていましたから、あの時最後はまとまらなかったのですよ。その次の第1次計画も発表から3ヶ月、第2次計画も発表して3ヶ月、何年間かあると言っても本当にまともに対応して論議できる期間は無いんですよ。いつでも決まったものを3ヶ月で納得して下さいと押し切る形、だからこういう不満が出てくるわけです。そこをよく分かって欲しい。どんなに良いプランでも都民の論議を経て、ある場合には対等に論議できる場を作らなくては、行政は本当に民意が分からないと思う。そこのところが今の一番のポイントだと思のであえて言わせてもらいました。

Q:九段高校なんですが、他校と違い地域の方は居ません。理由は不登校児に絞りますと、地域の学校に行けない子はいるんです。その彼らがなんで九段高校に来ているかというと、自分のかつてを知らない場所に行きたくて入ってきた。15分で行けるにということには反するかも知れませんが、これだけ数が減ってしまうと誰も知らない所に行くためには2時間かけなくてはならないと、早く行くためには膨大な費用がかかるとか、そういうような弊害はやはり出てくる出てくるんですよね。すごくそれは小数であるかも知れませんけれども、数は必ず確保していただきたい。つぶすなと言いませんが、新しいものをつくるのなら、こんなに数を減らさないである程度の数が地域に無ければ通えないと言うのはあると思います。両極端の側から見ても同じ結論が出ると思うのですが、いかがでしょうか。

都:数の問題については沢山あればある程良い、というご意見は当然あると思います。
ただ高校教育というのは小学校中学校の教育とは明らかに違うスケールの学校であるし、教育課程の中身も本当に少人数でやることが本来の教育なのかという議論もあります。我々も今回の配置計画の中では、通学上の問題があるというのは当然考えています。敢えて全日制で改編したという所には、交通の便の良い所を選んでいます。東京23区55校の全定併置校の夜間部が残るわけですから、独立が11,全定併置44、その中で選択肢が無いのかと、これは判断の問題になってしまいます。我々はつぶしているのでは無くて、今居るお子さん達のニーズがいったい何処にあるのか、子供達のニーズが不登校であって、社会性をなかなか持てず苦しんできたお子さんに対してどういう教育をすべきか、それが一番いい方法としてチャレンジスクールが、これは試行的と思っていませんが、チャレンジがスタートしたときは実に7倍、こんな高い倍率がでた高校なんて普通は無いですから、それだけのニーズがある。いまでも2校、世田谷和泉が出来てもほぼ3倍近い倍率を保っています。それに対してそうした子どもの受け皿を作るということが教育委員会としての一つの使命だろう。それに合わせて枠が少なくなるとか、受け入れ幅が狭くなるという事があればそれは課題ですけれども、僕らはしっかり枠は設けて少なくともトータルとしての数はしっかり定数は確保して行きたいし、しっかり確保していると現にしているという事です。チャレンジスクールが1校だけではあれだけの倍率が出てしまう。その事が正に問題だと思うんですよ。それに対して早く教育条件を改善して、より良い中身にして行きたい。世田谷泉も桐ヶ丘も非常に良い学校だという評価を得ています。それから学校規模の問題については、夜間部については精々2クラス、桐ヶ丘と世田谷泉も場合は試験は統一的にやっていますが、圧倒的に昼間の倍率が多いです。3部の応募は最初1倍に行きません。1倍未満だからそれは入れるんですよ。1部2部が非常に倍率が高いということが言えます。そういう状況の中で少しでも倍率を下げたい、それから不登校のお子さんの話について、なんで3部制が良いかと言いますと教育課程については沢山の先生が配置できますから、その意味で多様な教育課程が組めるということと、今の夜間部は子供達がこれる時間が5時になっていて、全日制が有利の中で進んでいます。ところが昼夜間定時制はいつでも来られるし、先生の指導も何時でも受けられます。1日中受けられます。それから、夜しか行けないお子さんもある所で社会性が出て来たときには昼間の授業もしっかり受けられる枠は設けてあります。10単位という縛りはありますが。だから、初め夜にしか行けなくても少しずつその学校の中で馴染んで行けば昼間に行けるし、そこでまた、卒業することも出来る。そういう道も桐ヶ丘では作っています。そういうことは我々はもっともっと遣るべきだと思っています。そのことの意見は是非聞きたいと思っています。その為に、これからも皆さんの御意見、学校の先生の意見を聞きたいと思っています。ですからそういう学校をつくる為に今回の計画を敢えて出している訳ですので、決していまいる不登校のお子さん達の実態を我々が全然知らずに一方的に夜間定時制の統廃合をしているのではなくて、そういうお子さんの実態があるからこそ、敢えてそういう学校をつくろうとしている。その為のPR不足という事については、ご批判を受けなくてはならないと思います。

Q:だけど弱点はありますよね。近くだったら通えるけど遠くなら通えないという子が出るという弱点を抱えるんですよ。そこの所は並行してやったらどうでしょうか、何年間か。それ位の予算は頑張ってもらいたい、教育ですから。そして都民が判断します。

Q:減らすにしても、6分の1ですか5分の1ですかそれをするには早すぎますよね。
都:数の話をしても仕方が無いのかも知れませんね。夜間定時制高校は最盛期121校ありました。東京都全体で夜間定時制課程で受け入れた子どもが、最盛期で5万5千ですか、それに対して、今は1万2千人を切っています。最盛期の受け入れ枠の22%程度です。尚且つ学校数はまだ100校、ですからこれを55校にしても最盛期の50%弱ですから子どもの数の減少に比べて枠としてはまだまだ十分用意していると、これは判断だと思います。都民の方のご意見というのは、我々は議会を通じて都民の代表者の意見は広く聞いていますから、色んな意見がありますよ。政党によっては反対している所もあります。だから意見を全然聞いていないと、この場で言えば皆さん反対している立場だからそう仰られるでしょうが、我々は我々の責任ある立場で、都民の判断がどの辺にあるのか、最もより良い税金の使い方はどの辺にあるのかということを含めて判断しなくてはいけない立場にありますから、敢えてこういう形での計画を出させて頂いております。

Q:最終的に議会の問題だということは分かるんですが、教育の問題は教育オリジナルの数字で研究協議会的なものを以て、色んな意見を戦わせる場が必要なんです。学校群制度を変える時には、研究協議会を3年間やりました。様々な論議がそこで遣られて、それを公開しましたから、各地で関連した論議がされたんです。賛成反対色々と、そういう形になりますから、都民的レベルで都民的議論が進んだのです。だから学校群制度は総括が都民的にされているんです。それからその後1年掛けてその研究協議会の答申を教育庁の内部で案を作ったのです。それ位の時間を掛けることが教育オリジナルのものとしては、必要なんです。それがあって、その後に議会が来るんですよ。こうした事が長期懇からは全く遣られていない、それが一番の問題なのです。

都:お言葉なんですが、昼夜間定時制の独立校をつくる、いまの夜間定時制の教育条件の改善を図って不登校のお子さんはじめ、多様な生徒さんの受け皿を作っていく、それについては教育の中身の話ですから、それ自体の反対はいないんですよ。いま問題になっているのは、それに対してどの学校にするかという問題でしょう。

Q:その前の段階でも反対はあったのだけれども、3ヶ月で押し切った事実が有るんですよ。長期懇だって研究協議会は遣りませんでした。懇談会ですから言い放しです。だから最後に纏まらなくて、困って座長談話が出たんでしょ。

都:何故かというと、長期懇の時の一番のテーマは学校の統廃合だったんですよ。教育条件の改善というスタンスの部分について、こういう方向性については、反対がない、だから繰り返しになりますが、定通P連は平成12年、もっと以前から全定併置の解消で独立校の設置ついては賛成してくれています。PTAの多くのマジョリティの方は、

Q:定通P連は違いますよ。校長、教頭が事務局を遣っているからやむを得ずそこにいれば、保護者も正面切って反対を言えないんですよ。全日制のPTA連合会どう言っていますか、少なくとも1年間ちゃんと期間をおきなさいと最低限言っていますでしょ。

都:定通P連は定時制の方たちの、PTA連合会でそれがそういった運営がされているからと言ってフェアではないという議論をされても私はそれは受けようが無いな。

都:時間が4時からの会議が有りますので。

Q:@全定併置の弊害の問題に対して、全日制と定時制で話し合って合意が出来ればその学校に関しては白紙に戻すのですか。A都議会が、都民の意見の代表だと言いますが、都議会から例えば3ヶ月ではあまりにも拙速すぎるという指摘が出た場合は延期するのですか。

都:全定併置の問題については全日制定時制が併置されることによってどうしても突破できない問題がある。もともと勤労青少年を受け入れるとしてつくった学校で、本当は、おそらく理想を言えば夜間定時制の単独校が一番良かったのでしょう。それは昭和30年代40年代も一緒だと思います。そうすれば早くから子どもは来られた。先生の勤務時間も1時から9時、10時の中で子どもに接する時間は、たったの5時からの後でしかありません。そういう全定併置に課題についてしっかり解決するためには3部制が良いと言うのは都教委の判断だし、これは個別の学校現場でいろんな工夫をしていることは認めます。当然いまそういう枠の中で努力されているのですから、これはしていただいていると思います。だけれども制度上、枠上の話しとしてはどうしても解決できない問題がありますから、これについては3部制の高校の方が子ども達にとってよりよい教育条件になるのは間違いありませんから、それについては我々は、現場の努力は・・頑張っていただいて、それはそれで尊重しますけれども、それをしているから残すという話しにはなりません。
 都議会については議論をしていただいてよろしいのではないでしょうか。我々は、都議会の議論を広く受け入れる。この前の文教委員会でもご存じのように長い間やらさせていただきました。議会は議論する場所ですから、あくまで民意、何処にあるのかということですよ。議会は、選挙によって選ばれた議員の方たちの場所だから。

Q:だからそういう要請が出た場合は、そういうふうにするんですね。

都:議会の総意としてそういうことが出れば、それは受けざる得ないでしょう。それは一般論として当たり前のことですから。

代表:それではですね。私たちの質問状の1の部分については、まだ十分とは言えませんけれども、2以降の問題について積み残しておりますので、お忙しいとは思いますが、私たちも実は大変な中でここに駆けつけているわけですので、2以降の問題について後日に調整した上で話し合いの場を設けていただきたいというのが第1点ですが、もう一つは、1の問題で意見が出ていましたが、通学条件というのは教育条件の中の大きい一つだというふうに思います。そういう点では意見が出されていましたように、それほど自信があって昼夜間定時制をお作りなると言うのであれば、本当に都民がそれを選ぶのかどうかということは、何年かそれこそ夜間定時制があって、昼夜間定時制高校がある中で、子供達がどういう選択をするかという経過期間をきちんとおいていただきたい。選択肢が無くてそこにしか行けないんですよという形で選択するのではなくて現にいま定時制高校に50%の生徒が行っているという現実を踏まえた上で、昼夜間定時制高校を作るというのであれば、夜間定時制高校を継続していく中で、検討していくということを、ぜひ私はこれからの施策の中でやっていただきたい。不登校の問題についても、学校に行けない子供と一括りに括れない、不登校学校に行けない子供の内面というのは実は複雑にもっといろんな問題を抱えています。そういう点では近くにあるから通える規模が小さいから通える、そうしたいろんな条件があって必死の思いで夜間定時制高校に通っているのだということをもう少し理解していただきたいというふうに思います。いくつかまだ発言したい方もいらしゃると思いますので、2以降の問題について出来るだけ早い時期に話し合いの場を持っていただきたいと思います。

都:わかりました。まあ、議論しましょう。私、理解してもらいたい、全然こちらが理解していないというふうに思われるのも残念なんですが、まあそれはぜひこうした話し合いを通じてお互いに合意形成を図りたいと思います。

Q:定時制高校そのものが、なんか昼夜併置だけというの、そもそも最初からいろんなタイプの定時制がありましたよ。それで、議論としてね昼夜併置ということで改革されようとしていますけれども、子どもの希望としてね昼間通いたいというのは、ほんとは全日に行きたいというです。だからそういうことを別の形で、ごまかすようなね議論をするというのは、非常に最初からおかしい。そういうようなお話しされるようなことはお止めいただきたい。

都:ただそれは、そいうふうな形の中で教育条件の改善を図りたいと言っているだけですから。止めていただきたいと言われても、それの方が都民のニーズに合っている。

司会:では、次回よろしくお願いいたします。

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