守る会連絡会 第4回都教委要請速記録

(以下は、当日の速記録です。少しでも早くみなさんに公開することを優先しましたので、不十分な点もかなりあるかと思いますが、ご了承下さい。参加された方で、大きな訂正等がありましたら、ご連絡下さい。対応させていただきます。)

(都側は、前田課長、他一名。守る会側は約30名の参加)

開始にあって署名を持参した学校から、提出が行われました。

司会 では前回修学保障、通学時間について積み残した部分がありましたので、その問題から始めたいと思います。

武蔵 荻窪高校に統合される。中央線の武蔵境駅から徒歩15分位、中央線に直接乗れる子は1/3いるかという感じ、西武線の沿線の生徒も多い。そういう地域の生徒が荻窪に通うのはバスを使ったり、時間もかかるが、交通費もかかる。今年卒業した足が悪い障害を持った生徒は毎日お母さんが付き添っていた。その子は図書館司書を目指してがんばっている。こうした生徒が近くにあったから学校に通えたし、その中で自信をつけてきた。不登校の生徒も電車に乗るのが困難だ。

向丘 地域的には文京区の白山にある。交通の便が良いので地元が1/3で豊島や板橋などから通ってくる。今度一橋に移ると1時間以上かかってしまう。不登校の生徒は電車にのるのも不安がる。

小岩 今通っている生徒だ。杖をついている障害者でもある。現状でも30分位かかるし、調子の悪いときはタクシーに乗っている。今通っている生徒の中にもバスで20分・30分かかっている生徒がいる。統廃合されると1時間以上かかり通いきれなくなる。近いからこそ通えたし、障害をもった生徒も近いから通える。弱いものに対する配慮をしてほしい。

都 通学保障については前回も回答した。現在通っている生徒は選ばれたわけだから、その学校で卒業することを保障している。定員上の統廃合であって、みなさんが選ぶときには主体的な判断で選択していただける。学校が減ることは事実ですから、通学の負担が多少増えることはありえる。通学上の問題としては十分通える範囲に定時制は残していると考えている。修学計画で不登校の生徒などにより良い教育条件を整備していくという判断だ。

両国 両国の生徒が墨田区の一部を除いて台東に行けというのは無理がある。多分チャレンジなど他の学校も含めて30分位で通えるという論理は分かる。学級数では数は合わせているが、現実に行くときはそれが崩れる。実際にはもっと散らばってしまう。

都 今回の統廃合で今いる学校の生徒がそのまま新しい学校に行くわけではない。学校の定数はいま7割くらい。台東でも300人くらいの定員幅がある。一橋も同様だ。トータルには都全域では通える範囲だ。

両国 似たような環境の子供が似たような学校に通おうとすると想定できる。昼の学校に通うのなら30分くらいかけるのも当たり前という議論もある。両国の場合であれば、夜帰るときに明るい所を通って通えるということもある。生徒の層が違っている。

都 今、夜行っている生徒の多くは不登校の子供だ。その中には昼間実際に通える子供もいる。昼間通えれば安全の面でもある。桐ヶ丘でも夜間の課程は定員を割っている。従って夜間への需要がそれほど多いとは思っていない。他県と比べてもまだ条件は良い。

両国 横浜の場合、統合した方に生徒が集まって、クラス増で対応せざるを得ない。両国の場合は今いる生徒の弟や妹が同じ学校に通うと判断するのが妥当だ。両国のアンケートでは6割近くが両国を選ぶと言っている。こういう調査をきちんとしたのか。

都 基本となるのは中学校長会がやっている調査だ。夜間定時制を希望するのは全都で800人しかいない。夜間定時制に通えばアルバイトをするようになる。そのライフスタイルを確立した生徒に聞けば、夜間が良いと答えるだろう。しかし、800人しかいない。単位制の学校でも上級学年になるにしたかってアルバイトする生徒は増えている。

両国 もう少し夜間定時制生徒の実体を丁寧に見て頂いて政策を決定してほしい。民意を一番反映しているものが良いし、それを議論しながら進めていくことが大切

九段 桐ヶ丘で夜間にの生徒が昼間を希望しているというが、どのような調査をやったのか。就業率1年51.2%の生徒がアルバイトをしている。2年、3年と増えている。都の調査は恣意的ではないか。

守る会 夜間定時制の希望者が800人という数字が分からない。今中学に通えない、不登校の生徒などにもアンケートをとったのか。数の上では収まるというが、不登校の生徒は小規模だから行けるという生徒が多い。昼夜間定時が出来て選択できるというが、それを行使できる生徒はいいが、不登校の生徒はそこからあぶれてしまい、本当に必要としている生徒が行けなくなってしまう。

守る会 地元が北区なので桐ヶ丘も見たが、生徒が違うと思う。

小松川 小松川の生徒にどこにでも行けばいいといったが、定時制は間口が広い学校だ。障害者の方もいるし、近いということが大切だ。3部制でも考えているのか。

九段 学校がみんないろんなカラーの学校が先にできて、その上で選べるのなら良いが、まだどうなるかも分からない。3部制が何校かできるて、そこのカラーが出来るまで時間がかかるし、まだ実績もない。そこから選ぶのは無理がある。

都 定量的な調査はしていないが、校長を通じて聞いているので分かるが、桐ヶ丘で、昼を希望している夜の生徒は概ね5割程度だろう。就業率では5月の時点での全校調査では1年生でアルバイトは27%である。全体で58%である。これは、単位制も含んでいるので、学年制だと多少変わるだろう。働くことをを否定している訳ではないし、全日制でも2割くらいはしているのでそれほど多いとは思っていない。中学3年生の希望は不登校の生徒も入っているはずである。誤差がないとはいえないが基本的に正確である。不登校だから夜間を希望するとは限らない。不登校の生徒は新計画の特徴はチャレンジスクールをつくる。それは不登校の生徒への対応を中心にしている。全定併置校(の全日も含んだ生徒数)よりも学校に来る生徒は少なくなる。学校規模としてはコースに分かれるので少なくなる。夜間の生徒も、昼の単位を10単位まで取れるので、不登校の生徒にとっても良い。通学は確かにマイナスがでないとはいえないがメリットの方が大きい。夜間定時制は元々勤労青少年のための学校としてできた。それが不登校の生徒たちが入って役割が変わってきた。昼間定時を開校して、夜間定時制もしばらく残すという案では、税金を負担するのは都民だから、そこまで負担するのか。

小松川 コース制が初めてできた。またそれがなくなる。都民のみなさんの税金でそれが行われている。良いと思ってやった訳でしょう。10月に決定というが全然納得できる話ではない。通学時間が多少増えるのは仕方がない。今の生徒は卒業できるので良いじゃないかという論理では困る。必要としている生徒が変わってきているの事実だ。夜間の使命が終わったというのはおかしい。

両国 中卒労働力はもうなくなった方がいい。中卒者のアルバイトに依拠しなければならない産業もある。というならば、アルバイトしないで済むようなシステムを作るべきだ。高校全入にして、修学保障もしっかりやるというのなら理解ができる。そうではなくく曖昧にしている。筋が通っていない。そういう議論をしないで教育をやっていくのはダメだ。

都 勤労青少年の学校というイメージは構造の変化の中で、定時制の有り様は変わったということを言っている。

小松川 それならなぜ大規模な学校を残している。教育について親の格差がでてきている。高校卒業して就職でできない実体がある。勉強して子供たちがどういう希望を持てるのかが大切だ。

都 桐ヶ丘で倍率はあるからニーズがある

大崎 中学で定時制のことを説明してもらったことは一度もない。

大崎 私も学校を探してやっと夜間を探し出した。

久留米 中学3年の先生に定時制に行きたいと言ったけど先生にダメといわれた。選択肢に入っていない。

都 そういう現実はあるかも知れない。しかし、800人という数字も事実だ。

農芸 教員だけど発言したい。不登校の生徒を家庭訪問している。1年に2回だけ来た生徒とかいる。芸術祭に行くのに駅で待ち合わせてやっと行けた。その後電車に乗れるようになった。そういう子供の学習権をお母さん方は指摘している。白鴎を廃校にした時に、近くに上忍も、上野あるからといったが、次に上忍がなくなって、その時も上野あると言った。しかし、今度は上野も。そして、将来的に全定併置校は解消するといって全廃するのならば、今回夜間定時制が残ると言っても、信用できない。

都 どうしても意見が合わない点はある。この計画について都教委が一方的に行っているということは全くない。夜間定時制の統廃合は単純につぶすのではない。この間、長期懇で議論をして各計画時に議会の賛同も得ている。定通P連としても方向を支持されている。

両国 論点を明確にしようというのは賛成だが、定通P連代表が6/27以降意志決定した事実はない。定通P連会長が個人として賛成というのは良いが、団体の代表として行動したとすれば大問題だ。

都 定通P連として各都議会会派に要請している。9月9日に受理している。PTA連合会名の陳情だ。会としても何回も私もお聞きしている。この問題は避けます。大滝さん個人の問題に触れるつもりはないので、この問題には触れない。

小松川 みんなが反対していないというが、反対の意見を入れなければその責任はどうするのか。子供たちの将来の問題、将来がかかっている。

司会 時間が3時を回っていますが、もう少し出来ますか。

都 あと三十分ほどなら。

都 定通P連には、6月22日に説明してOKを頂いている。みなさんの会が絶対に正しくて、他は間違っているということではない。

守る会 我々の質問に納得できる答えをしてくださいといっている。

両国 6月22日の会議以降は会議が開かれてないので、会としての反対はできないはずだ。

農林 定通P連の代表の大滝さんのお子さんは94年に卒業している。それなのに、まだ代表というのは、非常に違和感がある。

都 6月22日に了承されたと考えている。それを含めていろいろな考えの方がいるということです。通学の問題というのは納得できない、というのは、意見が異なることになると問題を整理したい。夜間定時制については決して急に決めた問題ではない1次計画以来の計画である。個別の学校については3ヶ月が長いかどうか意見が分かれるだろう。しかし、大枠を決めて、個別の学校の統廃合については、従来通り3ヶ月で、10月に決定するという方針でいる。

両国 陳情書を後で見せてください。定通P連の会長がどういおうと、定通P連としての意見ではないことは確認せよ。

守る会 PTAの意見を聞いたということを何度も聞いたが4年間の間に一度も意見を聞かれたことはない。

都 会長の大滝さんに聞いた。

両国 長期懇以来1年やった。都民代表も入った。だが、混乱して座長談話を出してまとめた。1次も7月から9月まで2次も6月から10月まで、そういう意味で都民参画は一度もなかった。定通併置の弊害は今回はじめて出てきた。これは基本問題である。これは今後の問題でもある。

都 座長談話も事実だ。今回もその流れの中にある。我々も議会に度々説明している。合意形成が不十分だという。

両国 全定併置問題は今回はじめてである。

都 通学問題については、今の生徒は最後まで通える。

荻窪 学校が残るのはホッとしたが、交通の便が良いが、校舎は狭い。都が出している案は3ヶ月で決まってしまう。私も自分の子が不登校になるまで定時制に入るとは思っていなかった。確かに少人数かも知れないが、でも自分の子供も先人たちがこの学校を残してくれたから子供も行ける。今は不景気で親がこれまでのようにやれなくなっている。そういう状況の変化をどうするのか。昼間通えるからという議論は前提が崩れている。夜間は益々必要になっている。

小岩 62歳で障害者だけど通える学校がある。私のような人が出てきたときに行く学校がなくなってしまう。受け皿が必要だ。今までできなかったことができるようになるのが時代の進歩だ。それが逆で少人数の弱い人のことが考えられていない。

都 我々の説明責任があるので、繰り返し話はさせてもらいます。今回の統廃合は基本的に不登校とか条件の悪い人のために条件整備で行っている。チャレンジでは通っている子供の保護者からは支持されている。弱者切り捨てではない。

守る会 不登校以外の弱者は切り捨てているのか。

都 昼夜間定時制は、そういう弱者にも役立つ。

守る会 夜間定時制はしっかりした教育をしていないと考えているのか。

守る会 定時制に入ってとても納得している。

都 最後に時間のこともある。今の夜間定時制の教育を否定していない。限られた条件でよくやっている。しかし、全定併置の課題があって、どうしても越えられないことがある。これについて納得してもらっている。

守る会 全定併置では良くないのか?

都 全定併置よりもより良い条件ができる。

両国 大きな問題なので次に話したい。

守る会 不登校なのは社会や学校に対する不信が原因だ と思っている。先生方の取り組みがそれを解きほぐしている。不登校は簡単な問題ではない。

司会 次回もやって頂くということなので、それとは別に一つ聞きたい。中学で定時制を薦めないことを調査してほしい。

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